暗号資産(仮想通貨)取引所のフォビ(Huobi)は、最近の中国での規制強化に対応して、一部の国で事業を縮小あるいは停止し、中国本土でのマイニング機器のホスティングサービスを停止したと述べた。
同社の事業縮小のニュースは、週末の暗号資産市場の下落の一因となったようだ。
さまざまなレベルの当局から警告
「市場のダイナミックな変化を受け、投資家の利益を守るために、先物、上場取引型金融商品(ETP)、あるいはレバレッジ商品などのサービスの一部を、複数の国の新規ユーザーに対して一時的に停止している。当社はリスク管理を徹底し、ユーザーとその資産を守るために、各法域の最新の政策と規制を遵守するよう常に努力している」とフォビは声明で述べた。
ただし、サービスを縮小、あるいは停止した具体的な国や地域は明らかにしていない。
また同社は既存顧客に対して、ホスティングサービスで預かったマイニング機器の取り扱いについては、近日中に詳細を説明すると述べた。なお自社マイニングプールの運用は停止していない。
フォビは、主に中国の暗号資産投資家を対象とした大手暗号資産取引所だ。BTC.comのデータによると、同社はビットコインネットワークの4%のハッシュレート(マイニングのための計算能力)を誇る、世界で8番目に大きなマイニングプールを保有している。
今回の動きは、地方政府、金融業界団体、国家機関など、中国のさまざまなレベルの当局から、暗号資産の取引やマイニングに対する警告が相次いだことを受けたもの。警告は、2017年に行われたものと同様だが、特に暗号資産関連企業にサービスを提供している銀行業界に焦点があてられている。
テザーを人民元に替える動き
こうした動きに伴い、ドル連動型ステーブルコイン・テザー(USDT)の人民元に対する価格が22日午前中から下落しており、テザーを人民元に替える動きが高まっていることを示している。
「中国の投資家は市場から撤退しており、巻き添え被害を避けるためにテザーを売り、人民元に替えている」と暗号資産投資会社Primitive Capitalの創業者、ダビー・ワン(Dovey Wan)氏はツイッターに投稿した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Huobi Scales Back Due to China Crackdown; Market Falls With Ether Dropping Below $2K