ダッパーラボのNBA Top Shot、売上高7億ドル、ユーザー数100万人──CEOが語った大躍進の秘訣

ダッパーラボ(Dapper Labs)のNFTゲーム「NBA Top Shot」は1年足らずで売上高が7億ドル(約760億円)を超えた。同社CEOのロハム・ガレゴズロウ(Roham Gharegozlou)氏が明らかにした。

米CoinDeskが主催するカンファレンス「Consensus 2021」に登壇したガレゴズロウCEOは、NBA Top Shotのユーザー数は現在100万人に達したと述べた。単一の暗号資産プロダクトとしては驚異的な数字だ。ユーザーの半数は、デジタルトレーディングカードの購入や取引にお金を費やしており、毎日15万人〜25万人がログインしている。

現在、NFT(ノンファンジブル・トークン)市場は2021年はじめの熱狂が徐々に冷めつつある。NBA Top Shotも例外ではなく、ピーク時にはNBAのハイライト動画を収めたデジタルトレーディングカードは数十万ドルで取引されていた。

「ニュースはいつも、『レブロンが20万ドル、30万ドルで売れる』というものだった。だが実際は、過去数カ月の約450万件の取引のうち、300万件以上は50ドル以下だった」(ガレゴズロウCEO)

「プレーをTop Shotに載せよう」

毎日の安定したユーザー数と少額取引の数字は、NBA Top Shotが、ときに詐欺的なNFTの状況から抜け出し、いかにして主流のヒット商品になったかを示している。

何十万人ものバスケットボールファンが、デジタルカード化され、ブロックチェーンに登録されたNBAのハイライトシーンを定期的に、ときには週に何度も購入・取引している。

人気選手もこの盛り上がりに参加している。ニューヨーク・タイムズによると、「Put that on Top Shot(プレーをTop Shotに載せよう)」は今シーズンのNBAで合言葉のようになっているという。

NBA Top Shotとその基盤ブロックチェーン「フロー(Flow)」を開発したダッパーラボは高い評価を受けている。4月、同社の評価額は4月、75億ドル(約8200億円)と伝えられた。その3週間前には26億ドルの資金を調達している。

NBA Top Shotの7億ドルという売上高は、ほとんどが二次市場での取引によるものとガレゴズロウCEOは述べた。二次市場での取引には、5%の手数料が課され、同社とNBAの収益になる。

UXの勝利

ガレゴズロウCEOは、同社の成功は、人々が使いたいと思うプロダクト、使いやすいプロダクト、そして「暗号資産を意識」させないプロダクトを構築したことにあると述べた。

また同社は、継続的な成功を維持するための体制も整えている。ガレゴズロウCEOによると、現在、1000人以上の開発者が関わっているという。

「皆のポケットに暗号資産ウォレットを入れること。それが最大のミッション」とガレゴズロウCEOは語った。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Collision Conf/Flickr Creative Commons
|原文:Dapper Labs’ NBA Top Shot Has Crossed the Million-User Mark