AP通信が、ピューリッツァー賞を受賞した歴史的な報道写真をNFT(ノンファンジブル・トークン)に替えてオークションにかけている。
米報道機関のAP(Associated Press)は、6人の米軍兵士が1945年に硫黄島の摺鉢山頂上に星条旗を掲揚する瞬間を撮影した写真『硫黄島の星条旗』を、「AP ARTiFACTS: The 175 Collection」と名づけたNFTコレクションに加え、米NFT専用マーケットプレイスのOpenSeaで売り出した。
写真は、写真家のジョー・ローゼンタール氏が撮影したもので、ピューリッツァー賞を受賞した一枚。デジタル・アーティストのマルコ・スタノジェヴィッチ氏が今回、再利用した。売り出されたNFTコレクションには、APがアーカイブしていた当時の硫黄島の画像と音源に加えて、ローゼンタール氏が撮影したレアな作品などで構成されている。
APは1846年5月に設立され、今月が175周年にあたる。同社は175周年を記念して、ブロックチェーン開発企業のEveripedia社と複数のデジタル・アーティストと共同でNFTコレクションの制作を行った。
「APのジャーナリストが手がけた歴史的瞬間を体験できる新しい方法だ。APのNFTは、我々が追及してきた報道ジャーナリズムとその歴史に敬意を表するものである」と、APでブロックチェーン・データライセンシング部のディレクターを務めるDwayne Desaulniers氏は25日付の発表文で述べている。
APは今年初めに、同社初となるNFTを100ETH(販売時のレートで約18万ドル)で販売している。高額で取引されたAP初のNFTは、2020年の米国大統領選挙をテーマにしたもので、APがイーサリアムのアドレスとEveripedia社のソフトウェアを利用して販売した。
|編集:佐藤茂
|トップ画像:海兵隊戦争記念碑(硫黄島記念碑)/Shutterstock
|原文:Associated Press Auctions 10 NFTs Celebrating 175 Years of Photojournalism