オランダに拠点を置く大手金融機関のINGグループが、ブロックチェーン上で展開する新たな金融サービスのDeFi(分散型金融)に関する調査を強化している。
例えば、新しい資産クラスの検討や、DeFiのレゴブロックのようなサービス構築手法、いわゆるイーサリアムエコシステムの「コンポーザビリティ(構成可能性)」の応用などだ。
米CoinDesk主催のカンファレンス「Consensus 2021」で、INGのブロックチェーン責任者のマリアナ・ゴメス・デ・ラ・ヴィラ(Mariana Gomez de la Villa)氏は、規制がないにもかかわらず、DeFiがイノベーションを実現できた方法を注視していると述べた。
同氏は「我々を引きつけるものは、新しい資産クラスを作るためのイノベーションを引きつけるチャンスがあること」とした上で、「DeFiは、INGのような銀行に役立つ特性がある。例えば、各サービスのコンポーザビリティ(構成可能性)や、モジュラータイプのコンポーネントの展開方法などを学ぶことができ、我々のインフラをより柔軟にする方法を知ることができる」
INGは今月はじめ、DeFiは銀行にとってビットコイン(BTC)よりも破壊的たイノベーションだとするレポートを発表した。
DeFiのイノベーションを担保ローン市場や非担保ローン市場に応用する可能性があるのか、あるいは不動産などの伝統的な担保市場にも及ぶ可能性はあるのかという質問に対して、同氏はまだ具体的なコメントをする段階にはないと述べた。
「我々のような金融機関が大きな役割を果たすことができる資産クラスでは、多くのイノベーションが生まれるだろう。例えば、今はこうした投資にアクセスできない多くの人々がアクセスできるようになるだろう」
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
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|原文:What ING Bank Might Steal From DeFi