2019年5月27日(現地時間)、時価総額で世界最大の仮想通貨、ビットコイン(BTC)は12カ月ぶりの高値を付けた後、引き戻された。しかし、相場は今も強気が優勢。価格は、主要な支持線である8,390ドル(約91万8583円)よりも十分高い。
27日午前1時(UTC)、BTCの価格は、欧州の大手仮想通貨取引所ビットスタンプ(Bitstamp)で8940ドルまで跳ね上がり、2018年5月11日以来の高値をつけた。
その後、価格は若干落ち着き、執筆時は8,750ドルで取引されている。ここ24時間における上昇率は9%だ。
BTCは現在、日中高値より200ドル低い価格で取引されているが、おそらくこれは、著しい値上がりの後によく見られる、強気相場の合間の一休憩でしかない可能性が高い。何しろ、BTC価格は26日に8.29%上昇し、5月で4番目に高い値上がりを記録してる。
さらに重要なことに、市場は26日までの11日間、8,300ドルの抵抗線を超えようと3回にわたって挑戦してきたが、26日についに抵抗線を破ることに成功した。
また26日、BTC価格は2018年7月以来の高値8,500ドルより上で受け入れられた。
6,000ドル未満の底値からの価格上昇が再開したと見られ、この強気相場を弱められるのは、8,000ドル未満への急落のみだろう。
日足チャート
26日、BTCは5月16日の高値、8,390ドルよりもはるかに高い価格で1日を終え、ペナントのブレイクアウトが確定した。ブレイクアウト後、価格の上昇は大抵それまでよりも加速する。
この種のブレイクアウト後は、ペナントの「ポールの長さ(ペナントの始まりとなった上昇トレンドの幅)」と同じくらい値上がりすることが多い。今回の場合、5,562ドルから8,390ドルに値上がりしているので、ポールの長さは2,828ドルとなる。
そのため、BTCは近いうち、最低でも1万ドル(心理抵抗線)まで値上がりする余地がある。
チャイキン・マネー・フロー (CMF) 指標も0.24と示し、この強気の見方を支持している。4月10日ぶりに見られたこの数値は、買い圧力がここ6週間で最も強いことを意味している。
さらに、 5日移動平均および10日移動平均のどちらも上向いており、短期的な上昇基調を示している。現在、これらの移動平均は順に、8,288ドル、8,048ドルに位置しており、仮に引き戻しが起きた場合でも、転換させるかもしれない。
週足チャート
BTCが、4週連続で値上がりしていることは、CMF指標が5カ月ぶりの高水準を示していることに裏付けられる。現在、買いの圧力は12月半ば以降で最も強い。
5週移動平均および10週移動平均も上に傾いており、強気相場を支持している。
相対力指数(RSI)は、70%以上と買われすぎを示しているが、イグゾースションギャップは見られない。そのため、RSIのシグナルは無効となる。
総括すると、短期においてBTCの価格は9,000ドルを超える可能性がたかい。そして、2017年12月高値から2017年12月底値への下落の38.2%フィボナッチリトレースメントに相当する、9,442ドルまで上昇するかもしれない。
現在BTCの価格は、5月初めから執筆時までで、65%以上上昇していることも特筆に値する。このレベルの目覚ましい値上がりの後には、大抵、利益確定に起因する戻しが見られている。
そのため、BTCか9,442ドルまで値上がりする前に、8390〜8000ドルの抵抗線から支持線に転じたゾーンに戻される可能性は除外できない。
BTCは、年初から執筆時までで、136%値上がりしている。
※日時は記載がない場合は米東部時間
翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Bitcoin image via Shutterstock; charts by Trading View
原文:Bitcoin Price Backs Off 12 Month Highs, But Bias Remains Bullish