ビットコイン(BTC)の価格が5月19日に急落してから2週間、機関投資家が押し目買いを進める意欲は弱まりつつあると、米銀最大手JPモルガン・チェースのアナリストが述べている。
「ビットコインファンドからの資金移動が起きる一方で、金(ゴールド)の上場投資信託(ETF)への流入が続いている。これは機関投資家のビットコインから伝統的なゴールドへの回帰が続いていることを示している」(JPモルガンのアナリスト、Nikolaos Panigirtzoglou氏)
ビットコインは5月に35%値を下げ、過去2番目の下落率を記録した。
「過去数週間の上昇と下落の動きは、機関投資家の暗号資産市場、特にビットコインとイーサリアム(ETH)への投資が後退していることを表している」
同アナリストは、ビットコインの中期的な適正価格を2万4000ドルから3万6000ドルと見ている。
「我々は以前から、ビットコインが6万ドルの水準を超えることができなければ、モメンタムのシグナルは弱気に転じ、さらなるポジション解消につながるとしてきた。そしてこれが先週の調整の大きな要因となった可能性が高い」とレポートは記し、コモディティ取引アドバイザーなどにポジション解消を推奨した。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)におけるビットコインやイーサリアム先物においても、投資家の買い意欲は萎んでいるようだとアナリストは述べた。
「ここ数週間の調整局面に続いて、ビットコインとイーサリアムの価格には持ち合いのサインが暫定的に見られるものの、まだ『売られ過ぎ』と特徴づけるレベルではなく、さらなるポジション調整に対して脆弱なままだ」とレポートは記している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:Bloomberg Finance, JPMorgan
|原文:Bitcoin Crash Pushes Some Institutional Investors to Reconsider Gold: JPMorgan