前回の記事(https://www.coindeskjapan.com/110936/)に引き続き、本記事では以下6社の金融機関およびシンクタンクの為替相場の見通しをまとめる。
- 三菱UFJ銀行
- 楽天証券
- AIゴールド証券
- 信金中央金庫 地域・中小企業研究所
- 明治安田アセットマネジメント
- マネースクエア
(※発表順)
なお、各社による予想は執筆時期が異なる点(公表は2021年5月31~6月4日)、また将来の値動きについて保証するものではない点に留意いただきたい。
三菱UFJ銀行、年末のドル円105─110円を予想
三菱UFJ銀行は5月31日、「FX Monthly(2021年6月号)」の中で、6月と2022年3月までの各四半期の為替相場を以下のように予想した。
三菱UFJ銀行 6月および各四半期の為替見通し
2021年 6月 | 2021年 7~9月 | 2021年 10~12月 | 2022年 1~3月 | |
ドル円 | 107─112 | 106─111 | 105─110 | 104─109 |
ユーロ円 | 131─137 | 129─138 | 128─139 | 126─137 |
ポンド円 | 151─159 | 150─160 | 149─160 | 148─158 |
豪ドル円 | 82─87 | 81─87.5 | 81─88 | 80.5─88.5 |
カナダ円 | 88─92.5 | 88─93 | 88.5─93.5 | 88─93.5 |
「米ドル/円」については下落を予想した。米国の貿易赤字(および経常赤字)および上昇を見込みづらい金利を理由にドル安・円高が続くと予想。またドル安・円高の勢いが増す要因として、以下を挙げた。
- 米国景況感改善の一服感
- 法定債務上限問題をはじめ、米議会の与野党攻防の激化
- 米中央銀行(FRB)金融正常化スケジュールの不透明感の台頭
- 夏場に円高が進むアノマリー
楽天証券荒地氏、6月のドル円レンジを107.54─111.29円と予想
楽天証券FXディーリング部「荒地 潤」氏は6月2日、6月の「米ドル/円」レートを107.54─111.29円と予想した。
荒地氏は「米ドル/円」のレジスタンス(上値の抵抗線)およびサポート(下値の支持線)を以下のようにみる。6月予想レンジは第3サポートから第3レジスタンスまでとしたようだ。
荒地氏 ドル円のレジスタンス&サポート
第4レジスタンス:112.00円
第3レジスタンス:111.29円
第2レジスタンス:110.57円
第1レジスタンス:110.35円
ピボット(基準):109.41円
第1サポート:108.48円
第2サポート:108.25円
第3サポート:107.54円
第4サポート:106.82円
109.41円を上回るならドル買い優勢、反対に下回るならドル売り優勢とした。
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AIゴールド証券、6月ドル円は108.5─111.0円と予想
AIゴールド証券は6月2日、「月間レポート(2021年6月号)」の中で、6月の為替相場を以下のように予想した。
AIゴールド証券 6月の為替相場見通し
6月の予想レンジ | |
ドル円 | 108.5─111 |
ユーロ円 | 132─137 |
英ポンド円 | 153─160 |
豪ドル円 | 83.5─87.5 |
「米ドル/円」については足元では徐々にレートを切り上げているものの、110円付近では上値が重いと指摘。一目均衡表上の雲上限(6月1日時点で108.667円)をサポートに、3月31日高値110.98円付近との往来相場をメインシナリオとした。
また、サポートとした一目均衡表の雲上限を下抜けた場合、雲下限(6月1日時点で107.052円)を試す展開をリスクシナリオとした。
信金中央金庫、22年1~3月のドル円を108─118円と予想
信金中央金庫地域・中小企業研究所は6月3日、「内外金利・為替見通し(No.2021─3)」において、6月および2022年3月までの各四半期の為替相場を以下のように予想した。
信金中央金庫 6月および各四半期の為替見通し
2021年 6月 | 2021年 7~9月 | 2021年 10~12月 | 2022年 1~3月 | |
ドル円 | 105─115 | 105─115 | 105─115 | 108─118 |
ユーロ円 | 123─140 | 123─140 | 123─140 | 125─143 |
為替相場はボックス圏での推移を見込んだ。日米の中央銀行が当面緩和策を維持し、日米金利差が大きく変化しないことを前提にしている。
信金中央金庫はサブシナリオ(確率25%)として悲観的な予想も提示した。新型コロナウイルスの再拡大などを理由に米中央銀行(FRB)が緩和策の一段の強化に踏み切り、欧州中央銀行(ECB)と日銀がマイナス金利の深堀りに追い込まれるシナリオだ。その場合の為替相場見通しは以下のようにした。
信金中央金庫 6月および各四半期の為替見通し(サブシナリオ)
2021年 6月 | 2021年 7~9月 | 2021年 10~12月 | 2022年 1~3月 | |
ドル円 | 105─115 | 100─110 | 98─108 | 95─105 |
ユーロ円 | 123─140 | 120─138 | 115─133 | 110─128 |
明治安田AM、当面ドル円の上昇基調を予想
明治安田アセットマネジメントは6月3日、「投資環境見通し(2021年6月)」の中で、当面米ドルは円に対して緩やかに上昇していくと予想した。米国の景気回復期待が高まりやすく、米長期金利に上昇圧力がかかりやすいと指摘した。
ユーロについても、欧州のワクチン接種進展による経済活動の正常化が意識されることから、円に対して当面緩やかな上昇基調を予想した。
マネースクエア宮田氏、ドル指数の底打ちを示唆
マネースクエアチーフテクニカルアナリスト「宮田 直彦」氏は6月4日、「エリオット波動(テクニカル分析の1つ)」からドルインデックス底打ちの可能性を指摘した。
ドルインデックスは3月31日高値93.437から下落しており、1月安値(89.209)を下回ることが想定されるものの、ドル安トレンドの最終局面になると指摘。ただし、ドルインデックスは足元ではすでに反発しており、持続的なドル高トレンドが始まった可能性も指摘した。
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|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock.com