NFTゲームのダッパーラボ、米ドル連動「FUSD」を開発──独自ブロックチェーンで展開

アメリカで人気のNFTゲーム「NBA Top Shot」を手がけるダッパーラボ(Dapper Labs)が、米ドル連動型ステーブルコイン「FUSD」を発表した。

同社は金融インフラを提供するPrime Trustと連携して、ステーブルコインのFUSDの開発を進めてきた。FUSDは、Prime Trustが管理する米ドルに1対1で裏付けられる。サークル(Circle)のUSDコイン(USDC)やジェミニ(Gemini)のGUSDといった既存のステーブルコインと同じ仕組みだ。

「フロー(Flow:ダッパーラボの独自ブロックチェーン)での、初めての法定通貨に裏付けられたステーブルコインになる」と同社CEOのロハム・ガレゴズロウ(Roham Gharegozlou)氏は述べた。主力プロダクトのNBA Top Shotでは現在、USDコインが利用されている。

ガレゴズロウ氏は、このタイミングでのFUSDの登場は、フロー上でプロダクトを構築しているダッパーラボ以外の企業がユーザーに信頼性の高い支払い手段を提供するためであり、アメリカとカナダで簡単に利用できるようになると述べた。

現状、こうしたサードパーティ・アプリのほとんどは、ネットワークのネイティブ暗号資産FLOWを使って決済しているが、FLOWを上場している取引所は少ない。CoinGeckoによると、1FLOWは12.56ドルで取引されている。

新たなトークン規格

注目すべき点としてガレゴズロウ氏は、FUSDは、フロー・ブロックチェーンでの初のERC-20的なトークンでもあり、迅速な開発をサポートするツール「Flow Client Library(FCL)」によって実現したと語った。

ERC-20は、イーサリアムブロックチェーンと互換性を持つ暗号資産を開発するための規格。

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「FCLを使えば、誰でもERC-20スタイルの独自トークンをフロー上で開発できるようになる」(ガレゴズロウ氏)。さらに、フロー規格に準拠した他のステーブルコインも登場する予定だと述べた。

データ分析のメッサーリ(Messari)によると、ステーブルコインの時価総額は1000億ドル(約11兆円)を超えている。だが、FUSDのビジョンは、フロー・エコシステムを実現することであり、USDコインやUSDTなどの巨大な時価総額を誇るステーブルコインと競合することではない。

「安全で、規制された、リスクゼロのコインであり、大企業でも使用できる」とガレゴズロウ氏は述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:ダッパー・ラボのロハム・ガレゴズロウCEO(Collision Conf/Flickr Creative Commons)
|原文:Dapper Labs Unveils Flow-Native Stablecoin, FUSD, With Other ERC-20-Like Tokens to Follow