野村證券、SBI証券、SMBC日興証券の3社と、ブロックチェーンを基盤とした金融プラットフォームを開発するBOOSTRYが、デジタルトークンで発行する有価証券、いわゆるセキュリティトークンを扱うネットワークを運営するコンソーシアムを立ち上げた。
4社は15日、コンソーシアムの「ibet for Fin」を設立したと発表。ibet for Finは、参加企業が共同で運営を行うコンソーシアム型のネットワークで、発行されるトークンや取引手段はネットワーク内で標準化され、参加者はブロックチェーン上のスマートコントラクトやデータを組み合わせて活用することができる。
非中央集権的に管理できるブロックチェーン上で、有価証券をセキュリティトークン(ST)として発行・取引する仕組みは、国内のメガバンクや大手証券会社がそれぞれ研究開発を進めてきた。
BOOSTRYは、野村と野村総合研究所(NRI)が共同で立ち上げた開発会社で、すでにSTの発行プラットフォーム「ibet」を開発。SBIもBOOSTRYに資本参加し、国内における有価証券のデジタル化を推し進めていく。
同コンソーシアムは今後、参加する金融機関を募り、分散型金融のプラットフォームとして成長させていく方針だ。企業が発行する社債や、証券化商品、非上場企業の株式などの取引に、ibet for Finの利用を広げていく。
野村ホールディングスはこれまで、ibetを活用した社内プロジェクトをグループ会社と連携して実施し、ブロックチェーン上で資産(トークン)を取引・流通させる実証実験を行ってきた。
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また、SBIホールディングスと三井住友フィナンシャルグループは4月、国内初となるPTS(私設取引システム)を運営する共同会社「大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)」を設立。2022年春をめどに、PTSで株式の取り扱いを始めた後、債券や証券、不動産などの資産を裏付けとするセキュリティトークンの取引を開始する計画だ。
|編集:佐藤茂
|写真:多田圭佑