●ビットコイン(BTC)は、21日20時(協定世界時/UTC=日本時間22日5時)時点、32,590ドル前後で取引され、過去24時間で7.88%下落。
●ビットコインの24時間レンジ:31,744.99~36,119.80ドル(CoinDesk 20)。
●イーサリアム(ETH)は、1,945ドル前後で取引され、過去24時間で12.21%下落。
●イーサリアムの24時間レンジ:1,893.15〜2,276.16ドル。
アジアで大きな売り圧力
21日の下落は、中国からのニュースが引き起こしたが、中国政府による新たな規制に対する市場の見方は割れている。
今回の調整は「またも、ほぼ中国のFUD(恐怖、不確実性、疑念:fear, uncertainty and doubt)によって引き起こされた。中国の銀行や決済サービスだけが暗号資産関連ビジネスにサービスを提供しているわけではない」と香港に拠点を置くアンバー・グループ(Amber Group)のパートナー、Annabelle Huang氏はCoinDeskに語った。
一方、状況を否定的に捉えている人もいる。
「中央の中央銀行の声明は、これまで同様、比較的穏やかだ。これは、中国政府の取り締まりが終わったことを意味するのだろうか?確信はない。中国のビットコインマイニングに対する取り締まりがここまで厳しくなると誰も予想できなかったことと同じだ」と中国を拠点とする暗号資産ジャーナリストのコリン・ウー(Colin Wu)氏はツイートした。
Price Dancingのデータによると、中国の投資家の間で最も人気の2つの暗号資産取引所、フォビ(Huobi)とバイナンス(Binance)における店頭取引(OTC)でのテザー(USDT)/人民元ペアの価格が過去24時間で急落していることだ。
下落は、中国の多くのトレーダーに好まれているテザーの需要が減少していることを示している。中国のトレーダーや投資家が保有する暗号資産を売却して、現金化している可能性がある。
「(中国が)四川省でのマイニングを禁止したため、一部のマイナーは保有する暗号資産を現金化する必要があった。マイニング禁止の影響は続いているだろう」とHuang氏は述べた。
ビットコイン先物は逆ザヤ
21日の下落により、機関投資家はシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物から撤退し、先物がスポット価格よりも割安で取引される「バックワーデション(逆ザヤ)」と呼ばれる異例の状態を引き起こした。
米銀最大手のJPモルガン・チェースは最近のレポートで、ビットコイン先物市場でのこうした動きは、CMEの主なユーザーである機関投資家のビットコイン需要が弱いことを示していると見るべきと述べている。
取引所への流入額は高水準
ブロックチェーンデータ会社のCryptoQuantによると、ビットコインのスポット(現物)取引所への1日あたりの流入額は19日、2020年3月の急落時以来の高水準に達した。つまり取引所で売却されるビットコインが増えたことを意味している。
また、CryptoQuantのCEO、キ・ヨン・ジュ(Ki Young Ju)氏もビットコインの「クジラ」が保有資産を売り始め、弱気心理を強めていると認識している。
CryptoQuantは、ビットコインのクジラの動きを見るために、いわゆる「ホエール・キャピチュレーション・インデックス」を使っている。ジュ氏によると、同インデックスがプラスに転じたことは、ビットコインを取引所に送るクジラの数が増えていることを示しているという。
2018年と2019年の弱気相場では、長期間にわたってプラスとなっていた。
「言いたくはないが、ビットコインの弱気相場は確定したようだ」とジュ氏は自身のウェブサイトに書いている。
アルトコインも大きな打撃
21日、アルトコイン市場も大きく下落した。特にドージコイン(DOGE)の値下がりは目立ち、イーサリアムも5月23日以来となる2000ドル割れとなった。
「注目すべきは、ほとんどの主要アルトコインは、ビットコインよりも過去24時間で比較的大きく下落したことだ。資金の流れでいうと、直近でアルトコインからビットコインへの移行が見られる可能性がある」とOKEx Insightsのフナイン・ナセル(Hunain Naseer)氏はCoinDeskにコメントした。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸、佐藤茂
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Slides to Two-Week Low, Ether to Below $2K as China Reiterates Crypto Ban