米労働省が発表した6月の消費者物価指数(CPI)が2008年以来の大幅上昇となったことを受け、ビットコインは2日連続で下落し、株式市場からさらに乖離した。
多くの暗号資産投資家はビットコインをインフレに対するヘッジと考えられているため、この値動きはウォール街のアナリストを悩ませるものになっている。CPIが上昇したこの2、3カ月間、ビットコインは4月の6万5000ドル付近の史上最高値から現在は3万2800ドル前後まで下落している。
「CPIが1月の対前年比+1.4%から6月の+5.4%へと上昇するなかで、ビットコインが実質的に半分になったことは興味深い」と米ネット証券大手、チャールズ・シュワブのリズ・アン・ソンダース(Liz Ann Sonders)氏はツイートした。
最新価格
●ビットコイン (BTC):32259ドル、−1.68%(過去24時間)
●イーサリアム(ETH):1919.8ドル、−4.59%
●S&P500:4369.22、−0.35%
●ゴールド:1809.1ドル、+0.13%
●10年物米国債:1.41%(12日:1.369%)
ビットコインのレンジは狭く
ビットコインは8週にわたって3万ドル〜4万ドルのレンジで取引され、横ばい状況は最近の取引高の低迷に反映されている。
今年はじめの急激な価格上昇は、今は見られない。Alternative.meの「Crypto Fear & Greed Index」によると、アーケーン・リサーチ(Arcane Research)が13日発表したレポートで指摘したように、暗号資産市場は現在、「極度の恐怖」に囚われている。
「ビットコインのレンジは狭くなっている」とアーケーン・リサーチはレポートで指摘した。同社によると、先物価格はスポット価格よりもプレミアム(上乗せ価格)で取引されており、市場は健全なサインを示しているという。
ビットコインのボラティリティは最近下落している。またグラフを見ると、昨年夏、市場の動きに乏しかったこともわかる。
ビットコインのドミナンス、再び上昇
ビットコインはきわめてリスクの高い金融資産であるという評判を考えると、皮肉なことにビットコインは今、安全な投資と考えられているかもしれない。
「下落傾向の暗号資産市場の中では、ビットコインは最も安全な投資先だ。この状況が、ビットコインのマーケットドミナンス(市場占有率)を高めている」(アーケーン・リサーチ)
「マーケットドミナンス」は、すべての暗号資産の時価総額に占めるビットコインの時価総額の割合。年初は約70%だったが、ビットコイン価格が下落してアルトコインが上昇するなか、約40%まで落ち込んだ。最近では約45%まで回復しています。
アルトコイン状況
●S&Pダウ・ジョーンズ・クリプト・インデックス:世界の金融市場で価格指数(インデックス)を提供するS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P Dow Jones Indices)は13日、5つの新しい暗号資産インデックスを発表した。プレスリリースによると、「ブロード・デジタル・マーケット」(BDM)インデックスは、240以上の暗号資産を対象としている。
●個人投資家向けDEX(分散型取引所)、2100万ドルを調達:個人投資家向けDEX(分散型取引所)のクリッパー(Clipper)は13日、2100万ドルの資金調達ラウンドを終えた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Weakens as US Inflation Hits 13-Year High