【市場動向】ビットコイン上昇、トレンドは反転したか──アマゾン、テザーのニュースで不安定な動き

ビットコインは上昇モードになっている。センチメントは5月の急激な下落と2カ月にわたる3万ドル〜4万ドルのレンジ相場を経て、極端な弱気からシフトしている。

一部のアナリストは、さらなる上昇を期待し、今回の反発をトレンドの反転と見ている。

「21日に強気に転じたが、ショートスクイーズがこれほど早く起こるとは思っていなかった。21日以降、市場が大きくサポートされ、週末に向けてセンチメントが明らかに強気に転じたことにうれしい驚きを感じている」とQCP Capitalはコメントした。

ただし、アマゾンがビットコイン決済の計画を否定、テザー(USDT)への懸念が再び広がり、不安定な値動きとなっている。

最新価格

●ビットコイン (BTC):3万8874ドル、+14.5%(過去24時間)
●イーサリアム(ETH):2324.7ドル、+9.08%

●S&P500:4422.3、+0.24%
●ゴールド:1976.8ドル、−0.31%
●10年物米国債:1.293%(23日:1.281%)

「ビットコインのモメンタム(勢い)は戻り、ウォール街での支持が徐々に増えていることは、4万5000ドルレベルへの上昇の後押しにつながる可能性がある」とオアンダのストラテジスト、エドワード・モヤ氏は述べた。

ブロックチェーンのデータもポジティブなサインを示している。

暗号資産運用会社ヴァルキリー・インベストメンツ(Valkyrie Investments)のショーン・ルーニー(Sean Rooney)氏は「ビットコインは5月、史上最高値から劇的に下落した後、この数カ月を通して長期保有者の手にゆっくりと戻ってきた。過去の経緯を見ても、長期保有している企業の傾向はすぐには変わらないため、第4四半期(10−12月期)に向けて価格はさらに上昇する可能性が高い」と米CoinDesk宛てのメールに記した。

ショートスクイーズ

週末のビットコインの大幅な上昇は、ショートポジション(売り持ちポジション)の清算によるものだ。ブロックチェーン分析会社クリプトクワント(CryptoQuant)のデータによると、2時間で約2000のショートポジションが清算された。

「この1時間のショートオーダーの清算額は6億4000万ドルに達し、1日の清算額としては2カ月以上ぶりの大きさになった」と暗号資産の情報を@WuBlockchainのアカウントで発信するコリン・ウー(Colin Wu)氏は26日にツイートした。

出典:CryptoQuant

ファンドへの資金フロー

多くの投資家が失敗した。

コインシェアーズ(CoinShares)が26日発表したレポートによると、先週はビットコインが3万ドルを割ったため、投資家は暗号資産ファンドから資金を引き上げた。この動きは1週間でビットコイン価格が24%近く上昇する前のネガティブなセンチメントと一致していた。

26日のビットコイン価格の上昇は、5月の下落以降、多くの投資家が様子見となっていたため、今後の暗号資産ファンドへの資金流入を促す可能性がある。

出典:CoinShares

アルトコイン

テザー(USDT)はドルとの連動を維持:ブルームバーグが26日、米司法省はテザー(USDT)を発行しているテザー社を銀行詐欺の可能性で調査していると伝えて以来、テザー(USDT)はドルとの連動をほぼ維持している。暗号資産市場において重要な役割を担うテザー(USDT)は、その歴史のほとんどの期間、1ドルを維持してきたが、過去には一時的に1ドルを下回ったことがある。例えば2018年には、裏付けとなる資産や、テザー社と親会社を同じくする暗号資産取引所ビットフィネックス(Bitfinex)への懸念から、92セントの低水準まで下落した。その時に比べると、今回のニュースへの反応は穏やかだ。

●アルトコイン上昇:26日にビットコインが急騰したことでアルトコインも上昇、特にaave(AAVE)、チェーンリンク(LINK)、ビットコインキャッシュ(BCH)は2桁パーセントの上昇となった。CoinDesk 20のデータによると、AAVEは過去24時間で18%、LINKは14%、BCHは13%上昇した。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CryptoQuant
|原文:Market Wrap: Possible Trend Reversal as Bitcoin Spikes Past $40K