ビットコインが9日、4万5000ドル(約496万円)以上を維持したことで、暗号資産(仮想通貨)市場は全般的に上昇。日本時間10日11時30分時点、ビットコインは520万前後で取引されている。
マイニングを手がけるライオット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)や取引大手コインベース(Coinbase)などの暗号資産関連銘柄も規制の明確化への期待から、株式市場が横ばいとなる中で上昇した。
イーサリアムは当記事執筆時点、3000ドルを超えて取引されており、この1週間で約21%上昇した。一方、ビットコインは18%。
最新価格
●ビットコイン(BTC):4万6190.3ドル、+5.91%
●イーサリアム(ETH):3162.7ドル、+6.51%
●S&P500:4432.4、−0.09%
●ゴールド:1729.9ドル、−1.88%
●10年物米国債:1.318%(6日:1.307%)
ビットコイン、200日移動平均線を超える
ビットコインは2020年4月以来初めて200日移動平均線を超え、これに先行して大幅に上昇した。「200日移動平均線を超えたことでビットコインは年末に向けて力強く上昇すると考えている」とファンドストラット(FundStrat)のトーマス・リー(Thomas Lee)氏は9日のニュースレターに記した。
200日移動平均線を超えると、ビットコインは一段と上昇する傾向がある。テクニカルチャートでは、次のレジスタンスは5万〜5万5000ドル付近と見られている。
キムチプレミアム
CryptoQuantのデータによると、韓国と世界の他の地域でのビットコイン価格の差を示す「キムチプレミアム」は、6カ月ぶりの低水準となっている。
通常、キムチプレミアムの上昇は、アメリカと比較して韓国でビットコイン取引が活発になっていることを反映している。またキムチプレミアムのピークは、ビットコインの下落に先行することもある。
今回のキムチプレミアムの低下は、規制強化のために韓国での取引が大幅に減少したことを反映している可能性がある。
今年はじめ、韓国は包括的な暗号資産法案を可決し、暗号資産取引所の合法化に向けた枠組みを提示した。しかし6月、韓国は暗号資産に対する監督を強化する新法案を可決。銀行は、規制強化とステーブルコインの財務リスクに対する懸念が高まるなか、暗号資産取引所との連携に消極的になっている。
5週連続の流出超
5週連続で流出超となったにもかかわらず、暗号資産ファンドの運用資産残高は5月中旬以来の高水準となった。
暗号資産ファンドにおけるイーサリアムのシェアが急速に上昇しており、年初にはわずか11%だったが現在は26%を占めている。
ビットコインはこの数週間で上昇しているが、引き続き流出超となっており、先週は3300万ドルの流出超となった。
イーサリアムのボラティリティ
イーサのインプライド・ボラティリティ(将来の価格変動に対する期待値)は、先週、価格が30%近く上昇したことで、急激に低下した。
イーサリアムのオプション市場では、コール(買う権利)がプット(売る権利)を上回っており、強気センチメントが高まっている。オプショントレーダーは月末までにイーサリアムが3500ドル超となる確率を約30%と見ている。
アルトコイン状況
●テザー、準備金の内訳を公表:最大規模のステーブルコイン、テザー(USDT)の発行元であるテザー・ホールディングス(Tether Holdings)が、628億ドルの準備金の内訳について、これまで以上に詳細な情報を公表した。報告書によると、準備金の49%にあたる308億ドルがコマーシャル・ペーパー(CP)と譲渡性預金(CD)となっている。
●サークル、国法銀行を目指す:決済サービスやステーブルコイン「USDコイン」を手がける米サークル(Circle)は9日、連邦政府の認可を受けた国法銀行(アメリカには州法銀行もある)を目指すと述べた。規制当局の承認を得ることができれば、同社は連邦準備制度理事会(FRB)、財務省、通貨監督庁(OCC)、連邦預金保険公社(FDIC)の監督下で運営されることになる。「我々は、民間による大規模なドル連動型ステーブルコインがもたらすリスクとチャンスに取り組んでいるアメリカの金融規制当局の取り組みと歩みを合わせて、この旅に乗り出している」と同社はブログに記した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:coindesk JAPAN
|原文:Market Wrap: Bitcoin Rallies Ahead of Senate Compromise