前回の記事(https://www.coindeskjapan.com/120219/)に引き続き、本記事では以下5社の金融機関およびシンクタンクの為替相場見通しをまとめる。
- ニッセイ基礎研究所
- ヒロセ通商
- マネースクエア
- ソニーフィナンシャルホールディングス
- みずほ銀行
※発表が早い順
なお、各社の予想は執筆時期が異なる点(公表は2021年8月23日~8月30日)、また将来の値動きについて保証するものではない点に留意してほしい。
ニッセイ基礎研究所、3か月後ドル円をやや円安と予想
ニッセイ基礎研究所は8月23日、「マーケットカルテ9月号」において為替相場を以下のように予想した。
ニッセイ基礎研究所 為替相場見通し
3か月後 | |
米ドル円 | 112円前後 |
ユーロ円 | 131円前後 |
3か月後の「米ドル/円」はやや円安になると予想。7月FOMC(連邦公開市場委員会)要旨から、FRB(米中銀)は11月にも緩和縮小の決定を行う可能性が高いと指摘。緩和縮小とその先の利上げが現実味を帯びるにつれ米長期金利が上昇し、円安米ドル高が促されると見込む。
ただし緩和縮小による株価圧迫、およびデルタ株の拡大による警戒感が「米ドル/円」の上値を抑えるとも指摘。総じてやや円安になるとした。
ヒロセ通商、8月30日~9月3日ドル円を107~112円と予想
ヒロセ通商は8月27日、「fx wave weekly(2021年8月27日)」において為替相場を以下のように予想した。
ヒロセ通商 為替相場見通し
2021年 8月30日~9月3日 | |
米ドル円 | 107─112 |
ユーロ米ドル | 1.14─1.19 |
「米ドル/円」は9月3日に公表される米8月雇用統計を控え動きづらい展開を予想。事前の予想では非農業部門雇用者数が76.3万人増と、7月94.3万人増からの減少が見込まれていると指摘。市場予想の最大値102.5万人前後まで増加していた場合、9月FOMCで緩和縮小の開始が協議される可能性が高くなるとみる。
米ドル売り材料としては新型コロナウイルスのデルタ株拡大や米中対立激化、またアフガニスタン情勢への警戒感のほか、米連邦債務上限引き上げ協議の難航などを挙げた。
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マネースクエア、2021年末までのドル円予想105~115円を維持
マネースクエアは8月30日、「マンスリーアウトルック(2021/9)」において為替相場を以下のように予想した。
マネースクエア 為替相場見通し
2021年末までの 予想レンジ | 方向性 | |
米ドル円 | 105─115 | レンジ |
ユーロ円 | 125─135 | レンジ |
英ポンド円 | 145─160 | レンジ |
豪ドル円 | 75─85 | レンジ |
NZドル円 | 73─82 | 上昇 |
カナダドル円 | 83─93 | 上昇 |
上記は6月28日発表の「マネースクエア四季報」をアップデートしたもの。アップデートは7月に続き2回目。「米ドル/円」の予想レンジに変更はない。
FRBは緩和縮小開始の条件とする「雇用と物価の目標に向けた顕著な前進」について、物価については満たされたと判断しているとみる。早ければ9月FOMCで緩和縮小の開始が決定される可能性を指摘した。
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ソニーフィナンシャル、8月30日~9月3日ドル円を108.8~110.8円と予想
ソニーフィナンシャルホールディングスは8月30日、「Weekly FX Market Focus(2021年8月30日)」において、為替相場を以下のように予想した。
ソニーフィナンシャル 為替相場見通し
2021年 8月30日~9月3日 | |
米ドル円 | 108.8─110.8 |
ユーロ円 | 127.9─131.2 |
豪ドル円 | 78.5─81.2 |
「米ドル/円」はレンジ相場を予想。パウエルFRB議長がジャクソンホール講演で「年内の緩和縮小開始」に言及したことはサプライズとするも、全体としてはハト派なトーンだったとみる。
また「テーパリング(緩和縮小)のタイミングとペースは、利上げ開始時期に関する直接的なシグナルを送ることを意図するわけではない」と述べたことに触れ、「利上げはまだ先」というメッセージが強調されたと指摘した。
9月3日に発表される米雇用統計に注目されるが、よほど大きく予想を上振れ・下振れしない限り相場への影響は限定的とみる。「米ドル/円」は110円を挟んだレンジ相場になるとした。
みずほ銀行、8月30日~9月3日ドル円を109~110.5円と予想
みずほ銀行は8月30日、「今週の為替相場見通し(2021年8月30日)」において、為替相場を以下のように予想した。
みずほ銀行 為替相場見通し
2021年 8月30日~9月3日 | |
米ドル円 | 109.0─110.5 |
ユーロ円 | 128.6─130.0 |
英ポンド円 | 150.0─152.5 |
豪ドル円 | 79.75─81.50 |
「米ドル/円」は底堅い展開を予想。米国では新型コロナワクチンの接種者と未接種者に行動制限の違いを課し、また3回目の追加接種が準備されるなど、経済の本格始動が見込まれると指摘。低位安定している金利も下がりにくくなり、「米ドル/円」は底堅い推移になるとした。
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|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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