カルダノ、アップデート完了──「イーサ・キラー」に向け前進

カルダノブロックチェーンのアップデート「アロンゾ(Alonzo)」が完了。協定世界時(UTC)9月12日21時47分(日本時間13日6時47分)にカルダノのメインネットにスマートコントラクト機能が追加された。

カルダノは、イーサリアムブロックチェーンの創設者のひとりであるチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏が提唱し、Input Outputが開発を進めるオープンソースのパブリックブロックチェーン。2017年9月にリリースされ、イーサリアムや他のブロックチェーンとの相互運用性を維持しつつ、イーサリアムが持つDeFi(分散型金融)での優位性に挑もうとしている。

スマートコントラクトは、イーサリアムのライバル、いわゆる「イーサリアム・キラー」となるために不可欠な要素。テストネットでの数カ月にわたる検証を経て、ついにメインネットで稼働した。

スマートコントラクトの導入により、カルダノ上でDeFiをはじめとする分散型アプリ(Dapp)の構築が可能になる。とはいえ、プロトコルの開発と成熟はまだ続いているため、しばらく時間がかかるかもしれない。

Input Outputは、12日公開したブログで、開発はまだ初期段階と次のようにコミュニティに伝えている。

「はっきりさせておきます。この先、問題はあるでしょう。初期のユーザー体験は完璧ではないかもしれない。初期のDAppには問題もあるでしょう。優秀な開発チームもいれば、そうではないチームもいます。カルダノはパーミッションレスな、分散型ブロックチェーン。つまり、避けられないことです」


さらに、次のように注意を促している。

「今回のアップデートには大きな期待が寄せられています。なかには理不尽なものもあります。カルダノに期待している人はアップデート後すぐに、消費者が利用できるDAppの優れたエコシステムができると期待しているかもしれません。期待値を調整する必要があります」

とはいえ、アップデート後の数時間でシンプルなスマートコントラクト機能を備えたDappが登場するだろう。現在開発中のプロジェクトが今後数カ月で姿を表す可能性もある。

カルダノ自体の開発については、トランザクションスクリプトサイズの圧縮をはじめ、さまざまな改善に引き続き注力し、ネットワークスループットを最適化していくとInput Outputのシステムパフォーマンスアナリスト、ニール・デイビス(Neil Davies)氏は述べた。

カルダノブロックチェーンのネイティブ暗号資産であるカルダノ(ADA)は、協定世界時12日18時22分時点で同日の高値2.79ドルから約5.8%下落し、2.56ドル前後で取引されている。CoinDeskのデータによると、カルダノは9月2日に史上最高値3.09ドルを記録している。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:カルダノ(ADA)の月次推移(CoinDesk)
|原文:Cardano Gains Smart Contract Capability Following ‘Alonzo’ Hard Fork