米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は、SECは暗号資産業界を規制する「強固な」権限を持っているとの立場を繰り返し、「ほとんどの」暗号資産(仮想通貨)は証券の性質を持っていると21日、ワシントン・ポストに語った。
またステーブルコインについても言及し、SECは現在、イエレン米財務長官の指導のもと、ステーブルコインに関するレポートを作成していると述べた。
ゲンスラー委員長は以前、暗号資産業界を西部開拓時代にたとえたが、今回のインタビューではさらにそれを広げ、「西部開拓時代には、たくさんのカジノがある。ポーカーのチップはステーブルコインだ」と語った。
1週間前には米上院銀行委員会での証言で、コインベース(Coinbase)などの暗号資産(仮想通貨)取引所はSECに登録すべきと発言している。
さらにワシントン・ポストに対してゲンスラー委員長は、暗号資産取引・レンディングプラットフォームは「数千」ものトークンを提供しており、そのなかには証券の定義に当てはまるものが存在する「可能性が高い」と述べた。
「そうしたプラットフォームは我々のもとを訪れ、登録方法を検討すべき。登録しているプラットフォームは多くない。だから我々が強制力を行使するようなケースが今後も続くと懸念しているし、問題は起こるだろう。そして率直に言って、問題が起きれば、多くの人が傷つくことになると思う」
また、民間マネーは長期的には存続し得ないと考えていると語り、暗号資産を19世紀の「ヤマネコ銀行」時代にたとえた。この時代、アメリカの地方にある銀行はほぼ裏付け価値のない紙幣を発行していた。
「歴史を見れば、民間マネーは長続きしないことは明らか。5000、6000もの民間マネーが長期的に存続し得るとは思わない」とゲンスラー委員長は語った。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:SEC’s Gensler Calls Stablecoins ‘Poker Chips’ at the Wild West Crypto Casino