SBIホールディングスは9月30日、アート作品を中心とするNFT(非代替性トークン)のマーケットプレース「nanakusa(ナナクサ)」を運営するスマートアプリを買収したと発表した。
SBIはスマートアプリの80%株式を取得し、社名は既にSBINFTに変更された。NFT(ノンファンジブル・トークン)は、ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アニメやゲーム、アートなどのコンテンツの固有性や保有を証明することができるもので、NFTを利用した事業は世界的に拡大している。
SBIは同社グループ傘下で、暗号資産(仮想通貨)の取引サービス「SBI VC トレード」と、美術品オークションサービスの「SBIアートオークション」、eスポーツの「SBI e-Sports」を運営しており、これらの事業とNFTマーケットプレースとの親和性が高いことから、今回の買収を決めた。
また、SBINFTは、ブロックチェーンを基盤技術にNFTを活用して、アート作品の真正性を担保するインフラを構築するスタートバーン(本社・東京文京区)と業務提携することに合意し、今後さらにNFT事業の拡大を図る。
NFTマーケットプレース事業では、世界最大手のOpenSea(オープンシー)がNFTの取引量と事業規模を拡大させ、グローバル市場をけん引している。一方、日本では、マネックスグループのコインチェックやLINE、GMOインターネットグループが今年、NFTマーケットプレースの運営を開始した。
楽天グループは2022年春をめどに、NFT事業に参入する計画だ。NFTの個人間売買ができるマーケットプレースと、IP(知的財産)コンテンツホルダーがNFTを発行・販売できる独自のプラットフォーム「Rakuten NFT」の開発を進めている。
|テキスト・編集:佐藤茂
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