ビットコインは4日、強含みで推移した。トレーダーはショートポジションを解消しているようで、過去1週間で約15%上昇している。
アナリストは、米証券取引委員会(SEC)によるビットコインEFT(上場投資信託)の承認を待っており、数週間以内に実現する可能性がある。
SECのゲンスラー委員長は先週、ビットコインの現物に投資するETFではなく、ビットコイン先物ETFを望ましいと考えていることを改めて表明。一部のアナリストはSECの承認が年末の価格上昇を引き起こす可能性があると見ている。
「機関投資家にとってビットコイン投資の可能性が広がり、そう遠くない将来に現物のETFも承認され、一般の人々が簡単にビットコインに投資できるようになるだろう」とイギリスの暗号資産ブローカーGlobalBlockのマーカス・ソティリオウ(Marcus Sotiriou)氏はコメントした。
最新価格
●ビットコイン (BTC):4万9308ドル、+1.1%
●イーサリアム(ETH):3411ドル、−1.6%
●S&P500:−1.3%
●ゴールド:1767ドル、+0.3%
●10年物米国債:1.484%
だがまだ、暗号資産への規制強化が続いていることから、慎重になっているトレーダーもいる。日本経済新聞は3日、税務当局が複数の個人投資家に対して大規模な税務調査を行ったと報じた。今月末には、米財務省がステーブルコインについてのレポートを発表する予定で、ステーブルコイン発行者への銀行並みの規制が盛り込まれる可能性がある。
ビットコインのショートカバー
金融調査会社ファンドストラット(FundStrat)によると、先週、複数の暗号資産が見せたテクニカルチャート上でのブレイクアウトは「大規模なショートカバー」につながったという。ブレイクアウトは、ある資産に対する需要が供給を上回り、価格が特定のレジスタンスレベルを超えて場合に起こる。ビットコインの場合、4万6000ドル付近の最近のブレイクアウトは、トレーダーがショートポジションを解消し始めていることを示している。
「私のサイクル分析では、ビットコインは11月後半から12月にかけて上昇トレンドを示し、ピークを迎える」とファンドストラットのマネージングディレクター兼テクニカル戦略責任者、マーク・ニュートン(Mark Newton)氏は先週、ニュースレターに書いている。
「現在の週足サイクルは、次の大きな上昇の前に2022年春に向けて下落する可能性を示している。つまり、現在の上昇は横ばいとなり、来年大きな上昇が始まる前の戦術的な動きの可能性がある」(ニュートン氏)
ファンドストラットはビットコインの次の上昇ターゲットを5万2000ドル付近としている。
アルトコイン状況
●アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)のトークン「AXS」、史上最高値を更新:アクシー・インフィニティ(AXS)は、6000万ドル以上のトークンのエアドロップ(配布)やステーキング機能の発表を受けて、4日夜、153ドルの史上最高値を記録した。「AXSのステーキング利回りは、すでに1240万AXSにのぼり、さらに増加しているが、並外れて高い状態(年利189%)を維持しており、AXSの供給が逼迫する現実的なリスクにつながっている」とSynergia Capitalのリサーチ責任者、デニス・ビノコウロフ(Denis Vinokourov)氏は述べた。
●FRB、今週にもデジタルドルの検討開始:米連邦準備制度理事会(FRB)は早ければ今週、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、いわゆる「デジタルドル」のリスクとメリットの検討を開始する。
●人気DeFiのコンパウンドにバグ、資金流出が続く:DeFi(分散型金融)プラットフォームのコンパウンド(Compound)で、流動性マイニングの報酬を分配するプログラムにバグが見つかり、報酬の一部が流出している。3日朝には報酬プログラムに積み上がった資金は6600万ドル(約73億円)に達し、今も増加している。このうち約2200万ドル(約24億円)が先週後半に約8000万ドル(約89億円)をリスクに晒したバグと同じバグを使われて流出したと、あるDeFi開発者はCoinDeskに語った。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Rises Toward $50K on Hopes for US ETF Approval