ビットコインは19日、アメリカ初のビットコイン先物ETF「プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジー(ProShares Bitcoin Strategy)ETF(ティッカー:BITO)」が取引を開始したことで、6カ月ぶりの高値6万3000ドル付近となった。
BITOの初日の売買は2410万件、10億ドル(約1100億円)を超え、ETFの売出しとしては過去最高レベルとなった。
BITOはビットコインに直接投資するものではなく、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物に投資する。そのため、ビットコインの現物(スポット)価格に大きな影響を与えることはないと考えるアナリストもいる。
資産運用会社DAダビッドソン(D.A.Davidson)のクリストファー・ブレンドラー(Christopher Brendler)氏は「先物ETFは、純粋なビットコインETFがもたらすような大きな価格インパクトをもたらすとは考えていない」とメールでコメントした。
最新価格
●ビットコイン (BTC):6万4016ドル、+4.42%
●イーサリアム(ETH):3810ドル、+1.98%
●S&P500:4519ドル、+0.74%
●ゴールド:1769ドル、+0.33%
●10年物米国債:1.63%
強気の値動き
現物市場ではビットコインはよく買われ、24時間で約3%上昇した。19日、アジアの取引時間中に暗号資産取引所オーケーエックス(OKEx)で大量の売り注文があったが、それを素早く吸収した後も買い手は活発に動いている。
値動きは、ビットコインが再び強気の上昇局面に近づいていることを示している。
暗号資産調査会社デルファイ・デジタル(Delphi Digital)によると、ビットコインは先週、週足終値ベースでは史上最高値を記録し、4月6日の週足終値6万1500ドルを上回った。「先週は2021年1月以来で最も明白な上昇トレンドの1つとなった」と同社はブログに記した。
オプション市場も活発化
ビットコインオプション市場は先週、投資家が19日のビットコイン先物ETFの取引開始を見据えるなか、15億ドルまで上昇した。
「オプションの取引高がこれほどの高水準に達したのは過去3回のみで、いずれも今年3月〜5月にかけて、ビットコインは同様の価格帯(6万ドル前後)となっていた」と暗号資産データ会社グラスノード(Glassnode)は述べた。
ポジションの大半はコール・オプションのようだ。コール・オプションは、購入者に将来、ビットコインを規定の価格で購入する権利を与えるものだ(つまり、価格上昇を予想している)。
下図を見ると、年末満期の行使価格10万ドル以上のコール・オプションの建玉が多くなっている。これはグラスノードによると、全般的な強気の市場センチメントと一致している。
アルトコイン状況
●ドラフトキングズ、ポリゴンのバリデータに:スポーツ賭博大手のドラフトキングズ(DraftKings)は、ポリゴン(Polygon)ネットワークと提携して、NFT(ノンファンジブル・トークン)の発売と二次市場での取引をサポートする計画だ。提携により、ドラフトキングズはポリゴンのバリデーターとなる。
●フェイスブックのNovi、コインベースがカストディ連携:フェイスブックが開発を進めてきたデジタルウォレットの「Novi」が、米国とグアテマラで試験運用を開始、ユーザーはパクソス(Paxos)が発行する米ドル連動型ステーブルコイン「USDP」の取引が可能となる。暗号資産(仮想通貨)取引サービス大手のコインベース(Coinbase)がカストディ(管理)業務で連携する。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:BITOの24時間の価格推移(CoinDesk, TradingView)
|原文:Market Wrap: ProShares Bitcoin Strategy ETF Rises in Trading Debut, Sending BTC Higher