プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジー(ProShares Bitcoin Strategy)ETF(上場投資信託)の初日の売買は10億ドルを超え、ETFとしては最高レベルの売出しとなった。
19日、米株式市場終了後の午後4時27分(米東部時間)時点、プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジーETF(BITO)の売買は2410万件、終値ベースで10億ドル超が取引された。
終値は41.94ドル、取引開始時の40ドルから4.9%上昇となった。
初日の売買高を考えると、今回の売出しは史上トップ2かトップ3に入るだろうとETF Trendsのチーフ・インベストメント・オフィサー兼リサーチ・ディレクターのデイブ・ナディグ(Dave Nadig)氏は述べた。
同氏によると、取引のほとんどは個人投資家によるものだったようだ。大口の機関投資家が行うような大規模な「ブロック」取引はほとんど見られなかったという。
「このETFはこれはおそらく誰もが予想していたもの、つまり、市場の特定のプレーヤーにとってのアクセス手段になるだろう。市場に積極的に参加しているが、自分自身では暗号資産を扱いたくないという人は多い」(ナディグ氏)
強気シグナル
ビットコイン先物ETFの登場に合わせて、ビットコインは19日、6カ月ぶりの高値となり、4月の6万5000ドル付近の史上最高値に向けて上昇した。
日本時間20日9時時点、ビットコインは6万4214ドル付近、過去24時間で3.7%上昇している。
ビットワイズ・アセット・マネジメントの最高投資責任者マット・ホーガン(Matt Hougan)氏は、初日の好調な動きは「単にアクセスが難しいという理由で、まだ暗号資産市場から除外されている資本が大量に存在することを示している」とメールでコメントした。
「時間とともに状況は変化し、そうした資本は市場に参入するだろう。長期的にはかなりの強気シグナル」(ホーガン氏)
アルカ・ファンズの最高投資責任者ジェフ・ドーマン(Jeff Dorman)氏は19日のニュースレターに「多くの人にとって長く、困難な道のりだったが、デジタル資産がメインストリームになりつつあることを示す、さらにもう1つのサインとなった」と書いている。
アメリカ初のビットコイン先物ETFとなったプロシェアーズのETFは、証券会社の口座でETFを購入できるという手軽さで、投資家にビットコインに投資する機会を提供する。
米証券取引委員会(SEC)は15日に同ETFを承認、他の審査中のETFも今週末に承認される可能性がある。
プロシェアーズのビットコイン先物ETFは、ビットコインに直接投資するものではなく、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で取引されるビットコイン先物に投資するものだ。
そのため、同ETF自体がビットコインの新たな需要を生み出すことはない。だが、トレーダーは先物をヘッジしたり、価格差を利用して利益をあげるために、ビットコインを購入する可能性がある。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジーETFはニューヨーク証券取引所で取引がスタート(Cheyenne Ligon/CoinDesk)
|原文:First Bitcoin Futures ETF ‘BITO’ Tops $1B Trading Volume on First Day