ビットコイン(BTC)は10月、40%近く上昇し、6万6975ドルの史上最高値を更新した。投資家がビットコインの季節要因や先物ETFがアメリカで初めて取引開始となったことを好材料と捉えたことがあと押しした。
主要指標は今後数カ月、ポジティブな動きが続くことを示しているが、米連邦準備制度理事会(FRB)や他の主要中央銀行による経済刺激策の段階的縮小、いわゆる「テーパリング」が株式市場を低迷させた場合は、そうはならない可能性がある。
FRB、テーパリング開始を発表か
「ビットコインの強気センチメントは依然として盛り上がりを見せている。例えば、NFT.NYC(ノンファンジブル・トークンのイベント)は金融資本を熱狂させている」と、香港に拠点を置くKenetic Capitalのジェハン・チュー(Jehan Chu)氏はコメントした。
「(ただし)FRBの債券購入のテーパリングを背景に公開市場がもたついた場合、ビットコインは小さな調整局面に引きずり込まれる可能性がある」
11月2日、3日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、FRBがテーパリングの開始を発表すると見られている。
複数のアナリストが先月、テーパリングは織り込み済みと語った。つまり市場の反応は、FRBのインフレに対する見解や最初の利上げタイミングに左右されることになる。
利上げ予想は前倒し
ブルームバーグによると、米投資銀行大手ゴールドマン・サックスのアナリストは29日、1回目の利上げの予測を2023年第3四半期(7−9月期)から2022年7月に前倒しした。2回目の利上げは2022年11月、その後は2023年と2024年にそれぞれ2回の利上げがあると予想している。
株式やビットコインは堅調に推移しているが、インフレは「一過性」というFRBの言及が少なくなれば、状況は変わるかもしれない。議会が高いインフレを嫌い、利上げの前倒し懸念は強まり、株式やビットコインに売り圧力が加わることになる。
バイトツリー・アセット・マネジメント(ByteTree Asset Management)のチャーリー・モリス(Charlie Morris)氏は、ビットコインは「リスクオンのインフレヘッジ」とブルームバーグにコメントした。ビットコインのデジタル・ゴールドとしての価値保存の魅力は、主に世界の金融市場が成長に敏感な資産に強い需要を見せたときに買い手を引きつける。しかし、世界の市場が低迷したときには、ほぼ打撃を受ける。
FOMCのほかには、投資家は2日のオーストラリア準備銀行の会議、4日のイングランド銀行の金利決定、5日のアメリカの非農業部門雇用者数に注目している。金融市場では、イングランド銀行は今週中に利上げを行うと予想されている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Eyes Fed Meeting After Biggest Monthly Price Gain Since December 2020