「イーサリアムキラー」の一角として知られるソラナ(SOL)の勢いが止まらない。
ソラナは、時価総額ランキングでカルダノ(ADA)とテザー(USDT)を抜いて4位に浮上。DeFi Lamaによると、分散型金融(DeFi)におけるソラナの預かり資産(TVL)は、11月3日に過去最高の145億ドルを記録した。
10月末にはソラナを使ったDeFiやNFTなどの新しいアプリ開発力を競ったハッカソンが終了し、来週にはポルトガルのリスボンでソラナのカンファレンス「Break Point」が開催される。
ソラナは3日に過去最高値を更新し、250ドルの大台に迫っている。本稿では、クラーケン・インテリジェンスの分析を基に、ソラナの現状と今後について分析する。
NFT市場で躍動
10月のNFT(ノン・ファンジブル・トークン)市場全体は過去2、3カ月と比べて低調だったが、ソラナ系のNFTには勢いがあった。ソラナのNFTマーケットプレースであるソラナートでは、1日あたりの取引高が14万5000SOLを記録した。
また、ソラナ・モンキー・ビジネス(SMB)というNFTコレクションの1つの作品が、ソラナ史上最高額となる1万3027SOLで売却された。同じくソラナ基盤のNFTコレクションであるDegodsの1万点が、数分で総額470万ドルで売却されている。
NFT(ノン・ファンジブル・トークン=非代替性トークン):ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アートやイラスト、写真、アニメ、ゲームなどのコンテンツの固有性や保有を証明することができるもので、NFTを利用した事業は世界的に拡大している。
今後、DeFiやNFTの分野でソラナがどこまでイーサリアムのシェアを取れるかが注目される。
500ドルも視野?
過去最高値を更新して時価総額ランキングトップ5の仲間入りをしたソラナだが、テクニカル的には「価格発見(Price Discovery)の波」の第3波目にある。
1週間足のチャートによると、過去18カ月で形成された上昇型ウェッジ(V字)において、上の方のレジスタンス突破にトライするかもしれない。9月にも一度トライしたが、同レジスタンスには跳ね返されていた。
もし突破すれば、ソラナは早ければ来月、遅くとも2022年第1四半期に、400ドルから500ドルまで上昇する可能性が出てくる。一方、もし失敗して下落すれば、ウェッジの下のサポート付近である120ドルまで下がるかもしれない。
千野剛司:クラーケン・ジャパン(Kraken Japan)代表──慶應義塾大学卒業後、2006年東京証券取引所に入社。2008年の金融危機以降、債務不履行管理プロセスの改良プロジェクトに参画し、日本取引所グループの清算決済分野の経営企画を担当。2016年よりPwC JapanのCEO Officeにて、リーダーシップチームの戦略的な議論をサポート。2018年に暗号資産取引所「Kraken」を運営するPayward, Inc.(米国)に入社し、2020年3月より現職。オックスフォード大学経営学修士(MBA)修了。
※本稿において意見に係る部分は筆者の個人的見解であり、所属組織の見解を示すものではありません。
|編集・構成:佐藤茂
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