世界保健機関(WHO)は11月26日、新たに検出された新型コロナウイルスの変異株を「オミクロン株」と名づけ、「懸念される変異体」に指定、ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産市場は株式市場とともに下落した。一方、ほとんど無名の暗号資産が週末、10倍の上昇を記録した。
データサイトのcrypto.comによると「オミクロン株」と同じ名前を持つDeFi(分散型金融)プロジェクトのネイティブ暗号資産(仮想通貨)「オミクロン(OMIC)」は26日には70ドル付近だったが、28日には711ドルまで上昇した。
急騰は非合理性の最たるものだろう。つまり、名前が新型コロナウイルスの変異株と同じというだけで、価格が上昇した。
I bought the $Omic with 9 ETH.
— larrylawliet.eth (@Larry_Lawliet) November 29, 2021
I don't think it's a good choice, but I'm willing to gamble meme with some money that doesn't affect my life.
Good Luck.🤣🥳🥳
オミクロンは、イーサリアム・ブロックチェーンのスケーリング・ソリューション「アービトラム(Arbitrum)」上に構築されているが、新型コロナウイルスとはまったく関係なく、安全資産には程遠いものだ。
オミクロンの最大供給量は100万に制限されているが、メッサーリ(Messari)、crypto.com、CoinGeckoなどのデータサイトは、オミクロンの時価総額などの詳細情報は提供していない。この状況は、暗号資産市場のバブル的状況を示しているとも言えるだろう。
A crypto token named after the new COVID-19 variant ‘Omicron’ is up over 650% within the 3 days, and is now worth over $400 million.
— Mr. Whale (@CryptoWhale) November 28, 2021
If this isn’t a sign we’re in a giant bubble, I don’t know what is. pic.twitter.com/7ESD1v9wgF
オミクロンは、ステーブルコインのUSDコイン(USDC)をはじめとする資産バスケットに裏付けられており、分散型取引所(DEX)のスシスワップ(SushiSwap)にのみ上場している。
オミクロンは現在625ドル付近。暗号資産市場も落ち着きを取り戻しており、ビットコインは26日、5万3800ドルまで下落した後、5万7500ドルまで回復している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:オミクロンの価格推移(出典:Crypto.com)
|原文:DeFi Protocol Omicron’s Token Jumps 10-Fold After Namesake Covid Variant Emerges