暗号資産(仮想通貨)市場が7日、週末の大幅下落から回復を続けるなか、イーサリアムブロックチェーンのスケーリングソリューションであるポリゴン(Polygon)のネイティブ暗号資産が大きく値を上げた。
暗号資産ポリゴン(MATIC)は6日朝の1.79ドルから、24時間で2.50ドルとなり、約40%の上昇となった。当記事時点では2.32ドル付近となっている。
上昇は、ポリゴンの低コスト、効率性と拡張性の高さが多くのユーザーに認知されたことによるものだ。また、12月9日に開催されるバーチャルイベント「zk day」での「エキサイティングな発表」とポリゴンが呼んでいることについても憶測が広がっている。
イベントのテーマは、ゼロ知識証明とその関連技術のzk-STARKだ。
「ポリゴンは本質的にイーサリアム・スケーリングソリューションのインデックスファンドであり、ゼロ知識証明分野における800ポンドのゴリラだという事実に投資家がようやく気がついたのだと考えている」とポリゴンのディーン・トーマス(Dean Thomas)氏は述べた。
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ポリゴンは、イーサリアムブロックチェーンと互換性を持ったブロックチェーンネットワークを構築し、接続するためのプロトコルおよびフレームワーク。イーサリアムブロックチェーンよりも低い取引コストと高速性を備えたエコシステムを提供する。
ゼロ知識
ゼロ知識証明ロールアップ(ZK-rollups)は、ブロックチェーンの分散性とセキュリティを損なうことなく、イーサリアムブロックチェーンのスケーリングを支援する技術。
8月、ポリゴンはゼロ知識証明技術を手がけるHermezを2億5000万ドルでを買収。9月には世界4大会計事務所の1つ、アーンスト・アンド・ヤング(EY)と提携し、大企業向けにプライバシーを強化したゼロ知識証明技術であるPolygon Nightfallの構築を目指す。
「(ポリゴンの)優先事項はイーサリアムブロックチェーンのスケーリングを支援することであり、ゼロ知識証明はそのための最大の投資」とポリゴンの広報担当者は述べた。
ユーザー増加
この数週間、イーサリアムブロックチェーンのガス代(取引手数料)の高騰により、さまざまなプロジェクトが低コストなブロックチェーンに移行しており、ポリゴンはベンチャーキャピタルや機関投資家の関心も集めている。
7日朝、コミュニティに送付したニュースレターでポリゴンは、11月の収益は過去最高となり、アクティブアドレスは30万を超えたと述べた。
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— Token Terminal (@tokenterminal) December 7, 2021
またポリゴンは11月、ノンファンジブル・トークン(NFT)マーケットプレイスのオープンシー(OpenSea)で、6000万ドル近くの記録的な取引高を記録した。
「我々はアクティブユーザー数、取引高、プラットフォーム上の分散型アプリ(Dapp)数など、あらゆる指標で著しく過小評価されている」(ポリゴンのトーマス氏)
今月はじめ、分散型取引所(DEX)のIDEXは、高騰するイーサリアムブロックチェーンの取引手数料などに対処するために、ポリゴン上にIDEX v3を開設した。NFTやメタバース関連のプロジェクトもポリゴンに移行している。
QR codes in the metaverse pic.twitter.com/WiflxNjznp
— Anthony Lee Zhang (@AnthonyLeeZhang) December 5, 2021
暗号資産ポリゴン(MATIC)の時価総額は、CoinGeckoのデータによると現在162億ドル、時価総額14位の暗号資産となっている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Polygon’s MATIC Token Up 40% Amid Crypto Rebound