NFTで不労所得を得る5つの方法【北米版】

ノン・ファンジブル・トークン(NFT)市場は2021年、暗号資産(仮想通貨)業界の中でも主要セクターへと成長した。NFT購入に使われた資産の合計は126億ドルを超え、年初の1億6240万ドルから大いにアップした。

NFTの大半は、イーサリアムを使って作成、売買されるが、取引手数料であるガス代の高騰によって、そのプロセスは驚くほどコストのかかるものとなり得る。ガス代データを提供するRarible Analyticsによれば、イーサリアム上で1つのNFTを作るのにかかるガス代は平均で約98.69ドル、NFTコレクションの作成には、平均で900ドルのガス代がかかる。

そのようなコストを埋め合わせるために、多くの投資家やクリエーターは、OpenSea(オープンシー)などの流通市場にNFTを放出し、そこから利益を得ようとしている。しかし、自分が購入した額や、作成にかかったコストよりも高い値段で売却する以外にも、NFTから収益を得る方法は数多く存在する。

NFTとは何か?

NFTというコンセプトに馴染みがない人は、誰もがいつでも閲覧可能で、検証可能なブロックチェーンと呼ばれる公の分散型データベースに保管された、取引可能なデジタルのレシートと考えてみよう。このデジタルレシートには、有形無形を問わず、特定のアイテムの唯一のオーナーが誰であるかを証明するために使える固有の情報が含まれている。

しかし、NFTはデジタルアイテムを保管するわけではないという点に、留意が必要だ。インターネットのどこかに存在するファイルの場所を指し示すだけなのだ。

NFTが表すアイテムには、ひとつとして同じものはないため、1枚のビットコインを別のビットコインを交換するように、NFTを交換することはできない。そのために、「ノン・ファンジブル(交換不可能な)」トークンと呼ばれるのだ。

NFTから不労所得を生み出す方法

NFTを貸し出す

不労所得を生み出す最初の方法は、とりわけ需要の高いNFTを貸し出すことだ。

例えば、カードトレーディングゲームの中には、勝ちのチャンスを高めるために、NFTカードを借りることが許されるものがある。当然ながら、2者の契約に関する条件は、スマートコントラクトによって管理される。そのため、NFTユーザーは通常、レンタル契約の期間とNFTの貸出料を好みに設定できる自由を持つ。

NFT貸出のための主要プラットフォームは、reNFTだ。貸し手は最大限の貸出期間と1日ごとの料金を設定できるが、現在では、0.002〜2ラップドイーサ(WETH)が平均料金となっている。

WETHとは、イーサリアムのネイティブ暗号資産イーサ(ETH)のERC-20バージョンである。

NFTロイヤルティ

NFTを支える基盤テクノロジーのおかげで、クリエーターは、NFTが流通市場で取引されるたびに、ロイヤルティを課すような条件を設定することができる。つまり、クリエーターは作品をコレクターに売った後も、不労所得を手にすることができるのだ。

こうして、NFTの販売価格の一部を永遠に獲得することができるようになる。例えば、デジタルアートのロイヤルティが10%に設定されていた場合、その作品が新しい人の手に渡るたびに、販売価格の10%を手にすることができるのだ。

クリエーターは通常、NFT作成時にこの割合を設定する。さらに、契約上の合意を実行する自己実行型コンピュータープログラムであるスマートコントラクトが、ロイヤルティの分配に関わるプロセス全体を統括する。

つまり、プロセスは完全に自動化されているために、クリエーターとしては、ロイヤルティの条件を自ら守らせたり、支払いを手作業で追跡する必要はないのだ。

NFTのステーキング

NFTと分散型金融(DeFi)プロトコル統合のメリットの1つは、NFTのステーキングだ。ステーキングとは、リターンを得るためにDeFi(分散型金融)プロトコルにデジタル資産を預け入れ、「ロックアップ」してしまうことだ。

幅広いNFTに対応するプラットフォームもあれば、ステーキングトークン報酬(通常はプラットフォームのネイティブユーティリティトークン建て)を獲得するために、ネイティブNFTを購入しなければならないプラットフォームもある。

例えば以下のプラットフォームが、NFTステーキングに対応している。

・Kira
・Network
・NFTX
・Splinterlands
・Only1

ステーキングした人に分配される報酬は、ガバナンストークン建ての場合もある。そのようなプロトコルの場合は、トークン保有者に、エコシステムの将来的展開をめぐる投票権が与えられる。

大抵の場合、NFTをステーキングして得られたコインを、利回りを生む別のプロトコルに再投資することが可能だ。

流動性を提供してNFTを獲得

NFTとDeFiインフラの統合が進んでいるおかげで、流動性を提供し、その見返りにNFTを受け取り、流動性プールに自分のポジションを確保することが可能となっている。

例えば、自動マーケットメーカー(AMM)のユニスワップV3(Uniswap V3)で流動性を提供すると、LP-NFTとも呼ばれるERC-721トークンが発行され、そこには、プールにロックアップされた合計資産におけるシェアの詳細が記録されている。NFTには他にも、預け入れたトークンペア、トークンのシンボル、プールのアドレスといった情報が刻まれている。

このNFTを売却して、流動性プールでのポジションをすばやく清算することができる。

NFTベースのイールドファーミング

NFTが急速に、AMMの中核的要素になりつつあるため、ユーザーはNFTが支えるプロダクトを使ってイールドファーミングが可能だ。イールドファーミングとは、保有してるデジタル資産でできる限り高い利回りを得るために、複数のDeFiプロトコルを活用する方法のことである。

前述の例で言えば、ユニスワップで流動性プロバイダートークンとして発行されたLP-NFTトークンはさらに、追加の利回りを得るために他のプロトコル上で担保として、あるいはステーキングに使うことができる。これによって、イールドファーミングをする人たちにとっては理想的な、幾重にも重なった収入創出モデルが実現するのだ。

しかし、NFTとその基盤にあるスマートコントラクトテクノロジーはいまだに、比較的新しいものであることに留意しよう。そのために、当記事で紹介したような所得獲得のチャンスを提供するアプリケーションの多くは、発達段階にある。

その点を考慮し、紹介した戦略を採用する前に、デューデリジェンスを実施し、リスクを理解することが望ましい。

|翻訳・編集:山口晶子、佐藤茂
|画像:Shutterstock.com
|原文:5 Ways to Earn Passive Income From NFTs