決済サービス大手にとって暗号資産はチャンス:リサーチ

決済サービス大手のビザ、マスターカード、ペイパルは暗号資産の台頭を脅威と考えておらず、各社は暗号資産エコシステムへの投資を続けるだろう。ニューヨークのリサーチ会社モフェットネイサンソン(MoffettNathanson)は15日、顧客向け文書に記した。

文書は、決済サービス各社が暗号資産を受け入れつつあると強調し、変化する環境に適応していると述べた。3社は12月はじめ、モフェットネイサンソン主催の暗号資産・ブロックチェーンイベントに登壇している。

ビザは、暗号資産の可能性は決済を超えて拡大すると考えており、自社を法定通貨の決済ネットワークがそうであるように、ブロックチェーンにおけるレイヤー2ソリューションのような存在と捉えている。また暗号資産ウォレットとの提携によって、今後1〜2年で取引高が大幅に増加すると考えていると同社シニア・バイスプレジデント兼グローバル・フィンテック責任者のテリー・アンジェロス(Terry Angelos)氏は語っている。

マスターカードは、暗号資産取引所やウォレットでの暗号資産と法定通貨のやりとりから利益をあげており、暗号資産を新しいプロダクトを生み出す機会と捉えていると同社ブロックチェーン・デジタル資産プロダクト担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのラジャ・ダモダラン(Raj Dhamodharan)氏は述べた。また、NFTマーケットプレイスでの決済手段となることを目指しているという。

ペイパルは、多くの人に利用してもらうためにユーザー教育関連の取り組みに投資している。また、DeFi(分散型金融)での活用を実現するためにプラットフォームを開放し、ユーザーがデジタルウォレットで安全に暗号資産を扱えることを目指していると同社ブロックチェーン・暗号資産・デジタル通貨担当テクニカルフェロー兼CTOのエドウィン青木氏は述べている。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Payment Services Giants See Crypto as Opportunity, Not Threat: MoffettNathanson