イーサリアムブロックチェーンのDeFi(分散型金融)における優位性は、その維持に必要なスケーリングがかなり遅れる可能性があるため、危険にさらされている。スケーリングの核となる「シャーディング」(承認作業を並行して行う技術)の最終フェーズは来年(2023年)になるだろうと米銀最大手のJPモルガン・チェースは1月5日発表したレポートに記した。
完全なスケーリングは少なくとも1年先であり、その間にイーサリアムブロックチェーンは競合ブロックチェーン(いわゆる「イーサリアム・キラー」)にシェアを奪われ続けるリスクがあると同行は警告している。
DeFi(分散型金融)では、テラ(Terra)、バイナンス・スマート・チェーン(Binance Smart Chain)、アバランチ(Avalanche)、ソラナ(Solana)、ファントム(Fantom)、トロン(Tron)、ポリゴン(Polygon)などのオルタナティブ(代替)ブロックチェーンが大きくシェアを伸ばしており、これらの競合ブロックチェーンは多くの資金を集め、インセンティブを設定して利用を拡大しようとしているという。
イーサリアムにとってのリスクは、シャーディングが実装されるまでの間に、ユーザーがイーサリアムに戻らなくなるほどに競合エコシステムが成長することとJPモルガンは指摘した。
さらに、DeFiの預かり資産(TVL)に占めるイーサリアムのシェアは、2021年初頭のほぼ100%から約70%に下落しており、2023年にシャーディングが実装されるまでの間に、さらに低下する可能性が高いとしている。
またバンク・オブ・アメリカは2021年12月、アバランチはDeFi、ノンファンジブル・トークン、ゲームなどにおいてイーサリアムブロックチェーンに代わる信頼性の高い選択肢と述べている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:JPMorgan Says Ethereum’s DeFi Dominance at Risk Due to ‘Sharding’ Delays