人気NFTゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」の開発会社スカイ・メイビス(Sky Mavis)がアクシー専用に開発したレイヤー2ソリューション「Ronin」は、11月のピーク時にイーサリアムブロックチェーンを560%上回るトランザクションを処理していた。ブロックチェーン分析会社ナンセン(Nansen)の調査で判明した。
処理数はその後、減少しているが、Roninは依然としてアバランチ(Avalanche)やファントム(Fantom)のような最新ブロックチェーンよりも多くのトランザクションを処理している。
ナンセンのマーチン・リー(Martin Lee)氏は、レポートはマルチチェーンのある種の未来を垣間見せるものであり、そこでは多くのレイヤー1ブロックチェーンが特定のユースケースに焦点をあてていると述べた。
「多くのブロックチェーンは、好むと好まざるとにかかわらず専門化するだろう。開発者が計画していなくても、純粋に別のチェーンとの兼ね合いを理由に、開発者は別の道を歩まざるを得ないだろう」
Roninの可能性
アクシー・インフィニティは、生まれたばかりの「プレー・ツー・アーン(プレーして稼ぐ)」ゲームを象徴するもので、1日のアクティブユーザー数は280万人にのぼる。その結果、Roninは取引高で最も人気のレイヤー1ブロックチェーン、アバランチよりも40%多くのトランザクションを処理している。
アクシーユーザーの約半数が住むフィリピンが台風シーズンを迎え、プレーするユーザー数が減少していたなかで、この数字が達成されたとリー氏は指摘した。
トランザクションの大半は1000ドル未満で、100回までなら手数料はかからない。
「注目は、アバランチやファントムのような他のレイヤー1ブロックチェーンと比較して、取引数が急上昇していること。これだけで、他の似たようなレイヤー2ソリューションが作られるサインとなる。1つのゲームが基盤となるブロックチェーンにこれほどのトランザクションを要求するなら、チェーン上に複数のゲームが存在する場合はどうなるだろう」
レイヤー2ソリューションのポリゴン(Polygon)は最近、ゲーム関連の混雑を体験した。取引コストは多くの場合、1セントにも満たないが、0.50ドルにまで高騰し、ユーザーは何日も取引ができず、不満を述べた。単純なゲームが思いがけず、混雑を招いたことが理由だった。
加えてRoninユーザーは、金額が少ないにもかかわらず、分散型取引所(DEX)やアクシー・インフィニティのステーキングなど高度なDeFi(分散型金融)機能を利用している。こうしたことは、ほとんどのレイヤー1ブロックチェーンでは手数料の問題から実現しないことだろう。
「Roninユーザーは、例えばユニスワップ(Uniswap)などは利用できないだろう」とリー氏は述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Roninのアクティブユーザー数(Nansen)
|原文:Axie Infinity’s Gaming Sidechain Is Bigger Than Many Major Layer 1s by Volume: Nansen