ビットコイン(BTC)は19日、4万1000ドル付近で推移。アナリストは、特にテクニカル指標が約1カ月間、売られ過ぎの領域にとどまっていることから、短期的な反発の可能性があると見ている。
「投資家とトレーダーは、米連邦準備理事会(FRB)の強まるタカ派姿勢と、市場が迎えた新たなインフレ体制におけるマクロの可能性を飲み込んでいるように思える」とTrovio Capital Managementのウィル・ハミルトン(Will Hamilton)氏はコメントした。
米投資銀行のモルガン・スタンレーは18日、FRBの金融引き締めが迫っていることで暗号資産市場に圧力がかかっていると述べた。同行によると、ビットコインの時価総額は、世界の法定通貨供給量(マネーサプライ)の増加ペースを追う動きを見せているという。
今のところ、一部のトレーダーは複数のアルトコインにまだ価値を見出している。
「ビットコインに対する需要の低下は、市場参加者の関心がビットコインを上回るパフォーマンスをあげたファントム(FTM)やFTXトークン(FTT)などの中規模の暗号資産に写っていることによるものだ。この1週間でFTMは約31%、FTTは約15%のリターンをあげた」とハミルトン氏は述べた。
最新価格
●ビットコイン:41,703ドル、−0.19%
●イーサリアム:3120ドル、−0.15%
●S&P500:4533ドル、−0.97%
●ゴールド:1844ドル、+1.72%
●米国10年債:1.83%
ビットコインのドミナンス、安定
ビットコインのドミナンス(暗号資産全体の時価総額に対するビットコインのシェア)は40%付近で安定し始めている。これは、アルトコインがビットコインよりも大きく下落した2018年以来の最低水準だ。投資家は市場の下落時にビットコインに相対的な安全性を求める傾向がある。
今のところ、ビットコインのドミナンスは2018年の最低値、約36%まで下落する可能性がありそうだ。一部のアナリストは、ビットコインの価値保存手段としてのメリットよりも、多くのユースケースがあることから、イーサリアム(ETH)やDeFi(分散型金融)トークンなどのアルトコインへの資金の移行が進むと予想している。
「ファントム(FTM)、テラ(LUNA)、コスモス(ATOM)、ポリゴン(MATIC)は、時価総額の大きなアルトコインの中で相対的な強さを示している」とファンドストラット(FundStrat)は19日、ニュースレターに記した。
また、イーサリアム・キラーの多くが市場シェアを獲得し始めている。
「ビットコイン市場の大きな発展にもかかわらず、現在の市場ストーリーは、イーサリアムとビットコイン以外の新たな展開、つまりイーサリアム・キラー、スケーリング・ソリューション、NFTマーケットであるオープンシー(OpenSea)のライバルなどに向いている」と暗号資産投資会社の21シェアーズ(21Shares)はレポートで述べた。
アルトコイン
●カルダノ(ADA)下落:カルダノ(ADA)は19日、ポリゴン(MATIC)やソラナ(SOL)が小幅下落するなか、約10%下落した。この下落は大きな上昇の後にしばしば見られる典型的な修正だろう。今月はじめ、カルダノは1.64ドルまで約60%上昇していた。
●イーサリアム vs ソラナ:NFTの発行・取引に利用するブロックチェーン基盤のシェア争いで、ソラナ(Solana)が存在感を強めている。一方、イーサリアム(Ethereum)は後退を余儀なくされていると米銀最大手JPモルガン・チェースのアナリストが直近のレポートで指摘した。イーサリアムのNFTにおけるシェアは、昨年はじめの約95%から80%近辺まで低下した。JPモルガンは、イーサリアムのシェア低下が続けば、イーサリアムの時価総額を左右する可能性があると警告した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ビットコインのドミナンス(CoinDesk, TradingView)
|原文:Market Wrap: Bitcoin Stabilizes; Analysts See Relative Value in Altcoins