イーサリアム(ETH)は2022年1月、2020年3月以来となる下落幅を記録。ビットコイン(BTC)と並んで最悪の新年スタートとなった。1月、イーサリアムは31%、ビットコインは22%下落した。
下落は、2021年に注目を集めた暗号資産にも及んだ。1月、テラ(LUNA)は50%、ソラナ(SOL)は49%、アバランチ(AVAX)は42%下落した。
Corinthian Digitalのリサーチ責任者デニス・ビノコウロフ(Denis Vinokourov)氏によると、ビットコインのドミナンス(暗号資産市場全体の時価総額に占めるビットコインの割合)は約42%、1月中旬には39%以下に落ち込んだ。昨年の今頃は62%だったという。
こうした数字は、過去1年のアルトコインの上昇傾向が最近の下落のなかで逆転したことを示している。
イーサリアムはまた、defillamaのデータによると、DeFi(分散型金融)におけるドミナンスを失いつつある。1月初め、イーサリアムのDeFiにおけるドミナンスは過去最低水準の57%まで落ち込んだ。
「リスク資産からの資本の流出とは対照的に、これは強いリスク志向を示している」(ビノコウロフ氏)
FRBの動きは織り込み済み
暗号資産の強気相場を後押ししたマクロ経済要因が逆転し、先行きは見えない。米連邦準備理事会(FRB)は前例のない緩和政策を推進したハト派姿勢から、インフレ抑制のための金融引き締めというタカ派姿勢に軸足を移している。
「こうした状況によって、暗号資産と伝統的市場の相関関係は2020年3月以来の最高水準となっている」とIntoTheBlockのリサーチ責任者ルーカス・アウトミュロ(Lucas Outumuro)氏は述べた。「利上げを早め、量的引き締めを始めることで、FRBはインフレをコントロールするために投資を抑制しようとしている」。
だがFRBの動きを「市場はすでに織り込み済み」で、むしろ「FRBの動きが予想よりも遅い場合、暗号資産価格が上昇する可能性もある」という。
アルトコインはビットコインがプラスに転じるまで上昇する可能性は低いとスタックファンズ(Stack Funds)のリサーチ責任者レナード・ネオ(Lennard Neo)氏は述べた。「どのような動きもビットコイン、あるいはイーサリアムから始まるだろう」。
ネオ氏は、現在の下落を長期的な問題とは考えておらず、インフレの状況は不透明、かつ利上げが決まっているなかで、市場はまだ横ばいと価格発見のフェーズにあると述べた。
CoinDesk 20がすべてマイナスとなったのは、2021年6月以来だ。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Ethereum Suffers Worst Month in Nearly 2 Years, SOL Falls Even Harder