欧州連合(EU)議会の経済・金融問題委員会は14日、合意メカニズムにプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を使う暗号資産を制限する条項を含み、事実上、ビットコイン(BTC)を禁止する可能性のある規制法案の草案「Markets in Crypto Assets (MiCA)」の投票を行う。結果は流動的だ。
投票の動向は依然として拮抗しているが、この件に詳しい人々によると反対票がわずかに上回りそうだ。
草案は、ビットコインやイーサリアム(ETH)などの暗号資産について、合意メカニズムをエネルギー消費の多いPoWから、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)のようなエネルギー消費の少ない方式に段階的に移行することを求めている。
イーサリアムはPoSへの移行(「イーサリアム2.0」への移行)が進められているが、ビットコインの先行きは不明だ。
規定草案には、世界中の暗号資産コミュニティが反発している。
「EUにおけるきわめて大きな影響力を持つ投票。こうした提案がこのような段階まで進んだことは、きわめて懸念すべきことであり、現実にはうまくいかないだろう」と米サークルの創業者ジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏はツイートした。
多くのEU議員は、たとえ使用するエネルギーが再生可能エネルギーであっても、PoWの暗号資産の禁止を求めている。議員たちは、再生可能エネルギーが、公共のためにではなく、暗号資産マイニングに使われることを懸念している。
MiCAの内容と進捗を監督するEU議会議員のステファン・ベルガー(Stefan Berger)氏は、妥協点を探ろうとしている。
「緑の党と社会党は、PoWコンセプトを批判し、ビットコインはオランダよりも多くのエネルギーを必要としていると述べ、そのエネルギー使用を批判している」と同氏は以前、インタビューで述べた。
ベルガー氏はその際、「MiCAはテクノロジーやエネルギ関連のルールを決めるものではなく、資産としての暗号資産を規制することが目的だと感じている」とも語った。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Bitcoin-Banning Measure Seen Too Close to Call in Tomorrow’s EU Parliament Vote