欧米諸国と日本がロシアに対する経済制裁を拡大させるなか、金融庁は3月14日、国内の暗号資産交換業者に向けた要請を公表した。日本政府がロシアにおいて資産凍結を行っている対象者への暗号資産の移転を行わないことや、各社のモニタリング強化を求めた。
これに関連して財務省は2月26日付で、ウクライナをめぐる国際情勢に基づく資産凍結などの内容を発表している。岸田政権は現在、外国為替及び外国貿易法 (外為法)に基づく支払規制を含めた措置を行っている。
外為法には暗号資産の移転も含まれおり、資産凍結の対象者に対する暗号資産の移転も支払規制の対象とされている。
今回金融庁が交換業者に要請した内容は:
① 顧客が指定する受取人のアドレスが資産凍結の対象者のアドレスであると判断した場合、暗号資産の移転を行わないこと。
②顧客が指定する受取人のアドレスが資産凍結の対象者のアドレスである疑いがあると判断した場合、資産凍結の対象者のアドレスでないことを確認した後でなければ、暗号資産の移転を行わないこと。
③ 顧客から依頼を受けて暗号資産を移転した場合、暗号資産の移転先が資産凍結の対象者であることが判明したときは、金融庁、財務省に速やかに報告すること。
業界団体・JVCEAが正式コメント
日本暗号資産取引業協会(JVCEA)は金融庁の発表を受けて、「暗号資産交換業を営む会員がこの要請において求められている対応に適切かつ円滑に取り組むよう、会員に対する指導その他必要な措置を講じてまいります」と発表した。
|取材・テキスト:菊池友信
|編集:佐藤茂
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|編集部より:JVCEAの正式コメントを追記し、記事を更新しました。