暗号資産(仮想通貨)市場に強気センチメントが戻りつつある。最近のアルトコインの上昇は、トレーダーのリスク欲の高まりを示している。
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は23日、1%下落。一方、カルダノ(ADA)は8%、ドージコイン(DOGE)は3%、イーサリアムブロックチェーンのスケーリングソリューション、Loopringのネイティブ暗号資産LRCは、GameStopとの提携発表後に34%上昇した。だが一部のアナリストは、上昇は短期的と予想している。
「リスク資産の上昇には限りがあり、(米連邦準備理事会の)利上げがどの程度になるかによる」とWave Financialのジャスティス・チュー(Justin Chuh)氏は述べた。
テクニカル指標で見ると、ビットコインの短期指標は改善しつつある。フェアリード・ストラテジーズのケイティ・ストックトン氏は「4万5000ドル付近の高値は、まもなくポジティブ要因としてクリアされると予想している」とレポートに記した。
最新価格
●ビットコイン:42,334ドル、-0.36%
●イーサリアム:2,978ドル、-0.81%
●S&P500:4456、-1.23%
●ゴールド:1,947ドル、+1.38%
●米国10年債利回り:2.32%
緩やかなブレイクアウト
ビットコイン先物市場の建玉は、過去数カ月間安定している。アーケーン・リサーチのレポートによると、ビットコインが狭いレンジで推移しているため、清算が少なくなっているようだ。
「これほどの長期間、大きなスクイーズが発生することなく、建玉がこのようなレベルにとどまっていることは、めったにない」とアーケーン・リサーチは記している。しかし、こうした状況は長くは続かず、現在の取引レンジからのブレイクアウトは間近かもしれない。
下図の2つ目のグラフは、ビットコイン建玉の30日ボラティリティを示している。現状の水準は、取引の短期的な増加に先行した2021年7月、8月後半、12月前半の2%程度の低水準よりも低くなっている。
しかし、複数の指標は、ビットコイントレーダーの間に高い不確実性があることを示しており、価格上昇は制限されるかもしれない。
例えば、ビットコインの資金調達率は、数カ月間、中立〜マイナスで推移している。これは、ビットコインが1月24日の安値3万3000ドル付近から約30%上昇したにもかかわらず、トレーダーのセンチメントが強気でも弱気でもないこと(確信に欠けていること)を意味する。
アルトコイン
●SportsIcon、アスリートがファンと交流できるメタバース:NFTプラットフォームのSportsIconは、アスリートとファンが交流できるスポーツに特化したメタバースの計画を発表した。Sports Metaverseでは、NFTの取引や仮想土地の購入・開発、スタジアム訪問などが可能になる。また同社は、ユーザーがネイティブ暗号資産ICONSを獲得できるゲームを開発しているという。
●LRC、GameStop NFTマーケットプレイスのβ版リリースで34%上昇:イーサリアムブロックチェーンのスケーリングソリューション、Loopringのネイティブ暗号資産LRCは、ビデオゲーム小売を手がけるGameStopとの提携発表後に34%上昇した。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Arcane Research、Skew
|原文:Market Wrap: Altcoins Outperform Bitcoin, Traders Cautiously Await Breakouts