多くの暗号資産(仮想通貨)は12日、ボラティリティが低下するなか、横ばいで推移した。
マクロ経済的・地政学的不確実性がトレーダーを緊張させ、2022年は急激な価格変動が常態化していた。ロシアのウクライナ侵攻、金利上昇、インフレ、経済成長の鈍化が重なり、特に4月前半、投資家はリスク資産への投資を控えていた。
例えば、この2週間の値動きは、2月前半と3月に起きた下落局面に似ている。不測の事態がない限り、暗号資産と株式は短期的な回復局面となるかもしれない。
アルトコインは概ね、ビットコイン(BTC)のパフォーマンスを上回った。例えば、柴犬トークン(SHIB)は24時間で12%上昇、ビットコインは2%下落した。
米国10年債利回りは低下し、株式市場はほぼ横ばいとなった。ゴールドは上昇しており、市場の根本的な不確実性を示しているようだ。
最新価格
●ビットコイン:39,341ドル、-1.63%
●イーサリアム:2,975ドル、-1.05%
●S&P500:4,397、-0.34%
●ゴールド:1,972ドル、+1.42%
●米国10年債利回り:2.73%
ボラティリティのパターン
ここ数日のビットコイン・ボラティリティの上昇は短期的なもので、スポット(現物)価格の短期的な横ばい傾向を示している可能性がある。
「ビットコイン・ボラティリティ市場は大きなパニックを見せていない」とQCPキャピタルはテレグラムで述べた。同社は、短期ボラティリティは上昇したが、長期ボラティリティはほとんど動いていないと指摘した。
「我々が気づいたある明確なパターンは、ボラティリティはビットコインのスポット価格と逆向きに動いていることだ。つまり、スポット価格が低い時はボラティリティが高く、スポット価格が高い時はボラティリティが低くなっている」
ビットコインのプット・コールレシオはわずかに上昇し、市場参加者の間で不確実性が高まっていることを示している。今年は低下傾向にあったが、好転すればビットコインのボラティリティが上昇することを指し可能性がある。
現在、オプション市場では5月にビットコインが3万6000ドル以上で取引される確率を62%となっている。これはこの2カ月間の底に近い水準だ。
アルトコイン
●米サークル、500億円調達:ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」の発行を手がける米サークル(Circle Internet Financial)は、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、Marshall Wace LLP、Fin Capitalなどから4億ドル(約500億円)を調達したと発表した。また世界最大の資産運用会社ブラックロックは「USDコインの資本市場への導入を含む、サークルとの広範な戦略的パートナーシップを締結した」と述べた。
●ロビンフッド、取り扱い暗号資産を追加:人気の取引アプリ「ロビンフッド(Robinhood)」に柴犬コイン(SHIB)、ソラナ(SOL)、ポリゴン(MATIC)、コンパウンド(COMP)が追加された。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Skew
|原文:Market Wrap: Crypto Sell-Off Pauses as Volatility Fades; Altcoins Outperform