英国政府は、「暗号資産に対するアクション」を含む、金融犯罪と闘うための行動計画を策定した。
2019年7月13日(現地時間)の発表によると、英財務省および内務省が新しく打ち出した、「経済犯罪計画(Economic Crime Plan)」は、政府、法執行機関、民間機関の間でより良い協力関係を構築し、経済犯罪への対処方法を全面的に見直すことを目的としている。
この行動計画は、フィリップ・ハモンド(Philip Hammond)財務相、サジド・ジャビド(Sajid Javid)内相、そして法執行機関、「主要な」金融企業、法律・会計・不動産組織のリーダー間で合意された。
国内外の「詐欺、マネーロンダリング、贈収賄、汚職に取り組む」ことを掲げたこの計画は、不審活動報告(Suspicious Activity Reporting)制度を改正するものである。なお、この計画は、バークレイズ(Barclays)、英HSBC銀行(HSBC UK)、ロイズ・バンキング・グループ(Lloyds Banking Group)、ネーションワイド(Nationwide)、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)、サンタンデールUK (Santander UK)から650万ポンド(約8億7191万円)の支援を受けている。
発表にはこう書かれている。
「不正資金問題と闘う中、全ての関係者はより長期的な資金をもとに、より豊富な情報を収集し、オペレーションの有効性を改善するために協力する」
またこれらの機関は、仮想通貨がマネーロンダリングやその他違法行為に使用されないようにするための措置を講じるつもりだ。
「違法行為における暗号資産の使用に対して、国際基準を超えた、最も包括的なグローバル対応策を策定するために」英国金融行為規制機構(FCA)と協力して新たな暗号資産制度を設立することが計画されている。
さらに、資産回復行動計画(Asset Recovery Action Plan)により、英国外で保管されている資金を含む犯罪収益の回収が促進される。発表によると、2010年から2018年の間に16億ポンドが犯罪者から回収された。
ハモンド財務相は次のように述べた。
「英国のマネーロンダリングと戦うシステムは、有数の厳格さを誇るが、それでも詐欺の被害に遭っている人が非常に多く存在する。この犯罪は、麻薬取引から現代版奴隷までのありとあらゆるものの活動資金となる。それは、わが国の金融システムに対する人々の信頼を根本的に損ない、経済成長に打撃を与える。政府、法執行機関、企業のリーダーを結束させることで、私たちは不正資金問題により取り組むことができ、英国が、事業運営や投資をする上で世界で最も安全な場所の1つであり続けることを保証できる」
翻訳:新井朝子
編集:町田優太
写真:U.K. Parliament image via Shutterstock
原文:UK Announces ‘Dirty Money’ Crackdown, Including Tougher Crypto Regime