油田やガス田から空気中に放出、あるいは焼却処分される天然ガスを使ってビットコインマイニングを行うクルーソー・エナジー(Crusoe Energy)は4月はじめ、気候技術VCのG2 Venture Partnersが主導したシリーズCの資金調達ラウンドで3億5000万ドル(約450億円)を調達した。また、SVB Capital、Sparkfund、Generate Capitalから、最大1億5500万ドルの信用供与枠を獲得している。
「シリーズCの資金調達によって、我々はビジョンの重要な要素を実行する能力を手に入れた。具体的には、エネルギー源、コンピューティング能力、垂直統合の拡大と多様化を実現できる」と同社共同創業者兼CEO、チェイス・ロックミラー(Chase Lochmiller)氏は述べた。
調達した資金を使って同社は「デジタル・フレア・ミティゲーション」技術の国内外への拡大、および「クルーソークラウド(CrusoeCloud)」と名づけたクラウド・コンピューティング・プラットフォームの立ち上げを行う。クルーソークラウドは、フレアガスと再生可能エネルギーを使って、高性能コンピューティングシステムをフレアガスと再生可能エネルギーで動かす。
フレアガスの活用
暗号資産マイニングにフレアガスを使用することは、暗号資産マイニング業界とエネルギー業界の双方で人気トレンドとなっている。
国際エネルギー機関(IEA)は、2030年までにフレアガス排出をゼロにするという目標を掲げており、エネルギー各社は取り組みを急いでいる。一方、膨大なエネルギーを使用する暗号資産マイニング業界は、安価で持続可能なエネルギーを求めている。
「廃棄されるエネルギーを利用できるなら、利用した方がいい」と米資産運用会社Valkyrieの最高投資責任者、スティーブン・マクラーグ(Steven McClurg)氏は語った。
Valkyrieは2022年初め、ビットコインマイナーETF(上場投資信託)を販売を開始している。このETFは、ビットコインマイニングから利益の50%以上をあげ、主に再生可能エネルギーを使用しているマイナーに投資している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:クルーソー・エナジーのWebサイト
|原文:Flared-Gas Bitcoin Miner Crusoe Energy Raises $350M Series C