今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。
レイヤー2と分散型取引所、第1四半期に大きく成長
イーサリアムブロックチェーン上に構築されたアプリケーションとサービスは2022年第1四半期(1−3月期)、前年同期比で大幅な成長を見せた。
レイヤー2(イーサリアム上に構築されたスケーリングサービス)のTVLは、2022年第1四半期は73億ドルに達し、2021年第1四半期の6億8690万ドルから10倍以上になったとBanklessのアナリストはレポートに記した。
ステーブルコインUST、一時的にドル連動から逸脱──何が起きたのか?
ステーブルコイン「TerraUSD(UST)」は7日、一時的にドルペッグ(ドルとの連動)を失い、0.987ドルまで下落。その後、8日には回復した。
デペッグ(ドル連動からの逸脱)は初めてではない(最大でもない)が、USTがビットコイン(BTC)とアバランチ(AVAX)を購入し、準備金の強化に着手して以来、初めてのことだ。
ビットコイン、3カ月ぶり安値の3万4000ドル付近
ビットコインは8日、3万3710ドルまで下落し、1月24日以来、3カ月ぶりの安値となった。数日前、アナリストは価格チャートに弱気シグナルが表れていると述べていた。
価格が3万2951ドルを割れば、2021年7月以来の安値を更新することになる。日本時間9日9時時点、3万4000ドル付近、24時間で3.8%下落した。
インスタグラム、NFT対応のパイロット版発表か──イーサリアム、ポリゴン、ソラナ、フローに対応
インスタグラムのNFT対応について、早ければ9日にもパイロット版の発表があるようだ。4つの人気ブロックチェーン──イーサリアム(Ethereum)、ポリゴン(Polygon)、ソラナ(Solana)、フロー(Flow)──のNFTへの対応が進められているという。
暗号資産ファンド、4週連続のマイナスから一転──ビットコインファンドに押し目買いの動き
暗号資産ファンドは4週連続の純流出から回復し、純流入となった。ビットコインをはじめ、ほとんどの暗号資産が下落しているなかで、押し目買いの動きがあるようだ。
コインシェアーズが5月9日に発表したレポートによると、6日までの1週間でビットコインファンドは4500万ドル、暗号資産ファンド全体では4030万ドルの純流入となった。
テラのDeFi「アンカー」の預り金、急減──ステーブルコインUSTが再度ドルペッグを失い、投資家が資金引き上げ
アンカー(Anchor)は、テラ(Terra)ブロックチェーン上に構築されたDeFi(分散型金融)プロジェクトで、ユーザーに高利回りを提供していたが、この数日間で預り金の3分の1以上に相当する約50億ドルを失った。ブロックチェーン業界で最も人気の高いレンディングサービスの1つに対する「取り付け騒動」のような状況だ。
最大19.5%の利回りを提供していたアンカーの預り金は、アンカーのダッシュボードを見ると、6日の140億ドル(約1兆8000億円)から9日には87億ドル(約1兆1000億円)まで急減している。
暗号資産先物市場で10億ドル超の清算、今年最大規模
暗号資産先物市場では9日、過去24時間で10億ドル(約1300億円)を超える清算が発生した。市場センチメントは弱く、主要暗号資産は重要なサポートレベルを失った。
ビットコインは過去24時間で8%下落、アジア取引時間の始めには一時、3万ドルを割った。イーサリアム(ETH)、バイナンスコイン(BNB)、エックスアールピー(XRP)も同様に下落した。
さらにテラ(LUNA)はステーブルコインのterraUSD(UST)が米ドルとのペッグを失ったことで50%も下落。一方、ミームコインのドージコイン(DOGE)は6%の下落にとどまった。
人気NFT「Azuki」の創設者、苦い過去を告白──販売価格は急落
人気NFTプロジェクト「Azuki」の匿名の創設者は5月9日夜、すでに放棄されたプロジェクトに関する苦い歴史を明らかにした。ツイッターのNFTファンの間には波紋が広がり、コレクションの最低販売価格は下落した。
NFT基盤の競争激化、ダッパーラボが950億円のファンド設立──Flowエコシステムの拡大目指す
アメリカで大人気のNFTトレーディングカード「NBA Top Shot」の基盤として知られるブロックチェーン「Flow」を開発・展開しているダッパーラボ(Dapper Labs)は、Flowのエコシステムにプロジェクトや開発者を引きつけるために7億2500万ドル(約950億円)規模のファンドを立ち上げる。同社が10日、発表した。
【US市場】テラの96%下落で市場に緊張感、ビットコインは9%下落
ステーブルコインTerraUSD(UST)をめぐる問題が依然としてトレーダーに緊張感をもたらしており、暗号資産市場は11日、ほとんどが下落した。
テラ(LUNA)は3日連続で急落し、24時間で96%も下落した。テラは、USTのボラティリティに対するクッションとなるはずだったが、大規模な売り圧力に屈した。Luna Foundation Guard(LFG)はUSTのドルペッグ(1UST=1ドル)を守るために準備金として購入したビットコインを全額、取引所に移した。
インフレ減速は誤解?── 4月の米CPIは前月を下回る予想
米労働省は現地時間11日、4月の消費者物価指数(CPI)を発表する。数カ月に及ぶインフレ上昇を経て、明日のCPIはようやく、物価上昇の減速を示すかもしれない。だが、安心はできない。必ずしも物価上昇圧力が緩和していることを意味するわけではない。
FactSetのデータによると、4月のCPIは前年比8.1%、3月の8.5%を下回ると予測されている。しかし、CPIは1年前の2021年4月に大きく上昇したため、前年同月比の数字だけでは誤解を招く可能性がある。
テザーも不安定な動き、ビットコインは一時2万5000ドル台まで下落
ステーブルコインのテザー(USDT)は12日、アジア取引時間に0.97ドルまで下落、すぐに反発し、また下落するなど不安定な動きを見せている。日本時間12日17時前後には、0.99ドルまで回復している。米暗号資産取引所コインベース(Coinbase)では一時、0.96ドルまで下落した。
暗号資産コミュニティにステーブルコインに対する弱気センチメントが広がるなか、トレーダーはUSDTを売却した。今週初め、アルゴリズム型ステーブルコインのTerraUSD(UST)は、ドルペッグを失い、0.22ドルまで下落、現在は0.58ドル付近となっている。
米チェイナリシスが220億円調達、評価額1兆1000億円──下落相場も懸念なし
ブロックチェーン分析会社の米チェイナリシス(Chainalysis)は12日、シリーズFのラウンドで、1億7000万ドル(約220億円)を調達したと発表した。評価額は86億ドル(約1兆1000億円)。同社は2021年6月、今回の半分の評価額で1億ドルを調達している。
かつてないほどの暗号資産をめぐるハッキング、詐欺、ランサムウェア攻撃が世界的なニュースになり、暗号資産調査・追跡用ツールの需要が爆発的に増えている。
コインベースの決算から分かる3つの戦略:北米市場を読み解く
北米で最大規模の暗号資産(仮想通貨)取引サービスを手がけるコインベース(Coinbase)は今週、減収減益となる第1四半期の決算報告書を開示した。年初からの市場環境を考えると、ノーサプライズの決算とも言えるが、報告書からはコインベースが仕かける中期的な事業戦略における3つの核が見えてくる。
アカツキが歩いて稼ぐ「STEPN」に出資、Web3特化ファンドを通じて
歩いて稼ぐGameFi「STEPN」のトークンに、日本のWeb3特化ファンドが投資したことが明らかになった。5月12日、アカツキが発表した。
東証プライム市場に上場するゲーム会社であるアカツキは2021年9月から、Web3特化ファンド「Emoote(エムート)」を運営。25億円規模の投資とグロース支援を手掛けている。シードを含むアーリーステージを対象に、20以上のプロジェクトに投資している。
SBI、暗号資産取引所のビットポイントを127億円で子会社化
SBIホールディングスは、暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するビットポイントジャパンを子会社化する。ビットポイントジャパンの親会社であるリミックスポイントが12日に発表した。
株式の51%を取得し、連結子会社化する。取得額は、127億5000万円。ビットポイントジャパンの2022年3月期当期純利益は、57億8000万円。SBIは2020年に、ヤフー系の暗号資産交換業者TaoTaoを完全子会社化している。
ブロックの株価、ビットコインへの関与がなければ上昇:米みずほ証券
米決済大手ブロック(Block、旧スクエア)の株価は、同社のビットコイン事業が上昇を抑制する要因となっている。本来であれば、ファンダメンタルズの改善から上昇しているはずでビットコインへの取り組みを減らすべき、と米みずほ証券のアナリスト、ダン・ドレフ(Dan Dolev)氏は顧客向けメモで指摘した。
ANA、メタバースで損害保険ジャパンと提携──「世界初」の大規模実証実験
航空会社のANAホールディングスグループのANA NEOは13日、損害保険大手の損害保険ジャパンと提携したことを発表した。損害保険ジャパンによると、大規模な基盤を活用して保険会社が実証実験を行うケースは世界初だという。
ANA NEOは、バーチャルで旅行を体験できるプラットフォーム「SKY WHALE(仮)」を開発している。今回、損保ジャパンの保険商品開発やリスクマネジメントのノウハウを活用し、メタバースにおける保険サービスの可能性を探る。
不動産ローン担保にビットコインとイーサリアム、最大5億円を融資:大和証券のFintertech
大和証券グループ子会社のFintertechは5月13日、ビットコインやイーサリアムを担保とした不動産ローンの提供を始めると発表した。同社によると、日本で初めての取り組みだという。利率は4~8%で、最大5億円を貸し付ける。
野村、ビットコイン・デリバティブの提供をアジアで開始:報道
野村ホールディングスが、アジアの法人顧客を対象にビットコインのデリバティブ(金融派生)商品の提供を開始した。ブルームバーグが13日に報じた。
|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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