デジタル資産は、不動産に代わるオルタナティブ(代替)資産クラスになっていると、JPモルガン・チェースは顧客向け文書で述べた。
「公開市場はすでに大きな景気後退リスクを織り込み、デジタル資産はステーブルコインTerraUSD(UST)の崩壊後に大きく下落したが、プライベートエクイティ、プライベートデット、不動産など一部のオルタナティブ資産はまだ遅れているようだ」とJPモルガンのストラテジストたちは分析している。
「したがって、我々はデジタル資産を不動産に代わる、望ましいオルタナティブ資産クラスとする」
オルタナティブ資産クラス全体については、JPモルガンはオーバーウエイトからアンダーウエイトに格付けを下げし、伝統的な資産は今後1年間で12%のリターンが期待されるのに対し、オルタナティブ資産クラスは10%と予想している。
暗号資産については、テラの崩壊によって全体的なセンチメントは悪化しているが、長期投資家にとっては「良いエントリーポイント(参入機会)」になっていると述べた。2018年〜2019年のような「長い冬」を回避する鍵はベンチャーキャピタル(VC)からの資金であり、現状、資金が枯渇した兆候はほとんどないという。
さらに、他のステーブルコインへの影響はさほどなく、テラ(Terra)ブロックチェーン以外の分散型金融(DeFi)プロジェクトのTVL(Total Value Locked)は「比較的回復力がある」と指摘した。
ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産市場の最近の下落は「キャピチュレーション(損切り)のようなもの」に感じるとJPモルガンは述べた。
また、ビットコインとゴールドのボラティリティ・レートに基づいて、JPモルガンはビットコインの適正価値を現状より約30%高い、3万8000ドルとしている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Consider Digital Assets Instead of Still-Pricey Real Estate, Say JPMorgan Strategists