ビットコインマイナー(マイニング事業者)は、ビットコイン価格の下落で利益を失い、マイニングしたビットコインを売却している。
マイナーから暗号資産(仮想通貨)取引所へのビットコインの移動額は、1月以来の高水準となったとCompass Miningは1日、レポートに記した。
「マイナーは、長期保有していたビットコインをオープン市場で売却し始めるかもしれない」「少なくとも、価格の直近の大きな下落に打撃を受けている。これにマイニング難易度の下方調整が加わり、マイナーは収益性の壁にぶつかっているかもしれない」(Compass Mining)
ビットコインのマイニングは、ビットコイン価格が下落傾向にあるため収益性が低下、ビットメイン(Bitmain)のアントマイナー(Antminer) S9などの人気マイニングマシンは、1キロワット時あたり6セントの電力料金で利益が出なくなっている。マシンを止めたくない苦しいマイナーは、借り入れや株式市場で資金を調達したり、保有するビットコインの売却を迫られている。
各マイナーの動向
アルゴ・ブロックチェーン(Argo Blockchain)は、第1四半期決算のアナリスト向け会議で、コストをカバーするために借り入れを行い、保有するビットコインの一部を売却する予定だと述べた。
世界最大規模のマイナーであるコア・サイエンティフィック(Core Scientific)は今年、すでにマイニングしたビットコインの一部を売却しており、今後も売却を続ける予定だ。
以前は長期保有を表明していたラオイット・ブロックチェーン(Riot Blockchain)は、3月にかなりのビットコインを売却した後、4月はマイニングしたビットコインの約半分を売却した。
カテドラ・ビットコイン(Cathedra Bitcoin)は5月30日、流動性を高め、さらなる価格下落から「保護」するために、5月に235ビットコインを売却したと声明で述べた。同社はまた、ノースダコタのマイニング施設が暴風雨の被害を受けたことで、4月は予定したハッシュレートの45%で運用するという厳しい状況に陥った。
マラソン・デジタル(Marathon Digital)も5月上旬の決算説明会で、保有するビットコインの一部を売却する可能性を示した。
最新情報によると、カナダ・トロントに拠点を置くデジホスト(Digihost)は1日、エネルギーコストを賄うためにマイニングしたビットコインの一部を売却したという。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Bitcoin Miners Are Selling Off Their BTC Holdings to Cope With Market Headwinds