SPAC(特別買収目的会社)上場は、ウォール街で最もホットな上場手法だった。だが、市場の低迷と米証券取引委員会(SEC)の規制強化によって、熱気は冷めつつある。
M&A会社Architect Partnersのマネージングディレクター、ピーター・ストーンバーグ(Peter Stoneberg)氏は、関係者が取引を進めるなら、現在の市場低迷を反映した再評価が必要になるだろうと語った。
「SPAC上場は全体的にきわめて不安定で、下降傾向にある」(ストーンバーグ氏)
米フォーブス(Forbes)は6月1日、香港のSPAC「Magnum Opus Acquisition Ltd.」との合併を通じて上場する計画を破棄したと発表した。評価額は6億3000万ドル(約820億円)の予定だった。暗号資産取引所バイナンス(Binance)はSPAC上場に関連して、フォーブスに2億ドルを投資していた。
SECは最近、投資家保護を強化するために「特にスポンサーに支払われる報酬、利益相反、希釈化、合併の公正さに関して、特別な開示要件を提案する」と述べている。
SECによると、SPAC上場の資金調達額は2020年の830億ドル超から、2021年は1600億ドル超とほぼ倍増した。この数年間、新規株式公開(IPO)の半数以上はSPAC上場という。
ストーンバーグ氏は、SPAC上場には逆風が吹いていると指摘。SECは現在、SPAC上場の全体的なプロセス、特に暗号資産会社のSPAC上場に厳しい目を向けていると付け加えた。
例えば、米ドル連動型ステーブルコインのUSDコイン(USDC)を手がける米サークル(Circle)のSPAC上場は、「特定の状況」のもと、2023年1月31日まで延期される可能性がある。
日本最大級の暗号資産取引所のコインチェックは、今年下半期のSPAC上場を計画している。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Crypto SPACs Brace for Cruel Summer With Lower Valuations, SEC Scrutiny