ビットコイン(BTC)は9日、ほぼ横ばいで推移した(日本時間10日10時30分頃には2万2900ドル付近となっている)。トレーダーが決定的なブレークアウトまたはブレークダウンを待っているため、価格は狭いレンジにとどまっている。
現状、ビットコインのFear & Greed Indexを見ると、トレーダーのセンチメントは依然として弱気だが、先週からは回復している。
一方、ほとんどのアルトコインはビットコインを上回った。特にチェーンリンク(LINK)とヘリウム(HNT)で、どちらも24時間で10%上昇。過去1週間では、ビットコインはほぼ横ばいだったが、カルダノ(ADA)は9%上昇している。
最新価格
●ビットコイン:30,038ドル、-0.31%
●イーサリアム:1,784ドル、-0.18%
●S&P500:4,019、-2.36%
●ゴールド:1,850ドル、-0.13%
●米国10年債利回り:3.04%
資金調達率
ビットコインの資金調達率(永久先物市場におけるロングポジションとショートポジションの資金調達コスト)は過去6カ月、中立付近で推移している。直近で資金調達率が長期間中立で推移したのは、昨年5月〜10月までの4カ月だった。
「資金調達率がこれほどまでに中立〜マイナスに留まっているのは、ビットコインの歴史おいて前例がない」とアーケーン・リサーチ(Arcane Research)はレポートに記している。アーケーンによると、長引く弱気センチメント、あるいは0.01%というほぼ中立の資金調達率を利用して利回りを得ようとした、多くのファンドの参入が原因になった可能性がある。
通常、資金調達率は価格の高値/安値付近で極端な強気/弱気センチメントを反映して急激な変動を見せる。だが時間の経過とともに、トレーダーはロング/ショートの追加投資を望まなくなり、市場参加者のレバレッジ意欲の低下や中立的な見通しを示す可能性がある。
資金調達率の現状の動きは、極端な下落の後に価格が安定するサインとなるかもしれない。例えば、先週末の価格下落によって、暗号資産取引所Bybitでの資金調達率は2月以来の低水準となったが、同様の動きは5月10日にビットコインが2万5300ドルまで急落した後にも見られた。
アルトコイン
●SEC、Terraform Labsを調査:米証券取引委員会(SEC)は、テラフォームラボ(Terraform Labs)──ステーブルコインのテラUSD(UST)と暗号資産テラ(LUNA)を開発したシンガポールに拠点を置く会社──が、暗号資産の販売に関してアメリカの法律に違反したかどうかを調査している。USTとLUNAは先月、価値を失った。テラフォームラボは、LUNAを再ローンチして新しい暗号資産を作成し、オリジナルの名称をLUNA Classicに変更した。
●Optimismから1500万ドル流出:イーサリアムのスケーリングソリューション、Optimismは8日、1500万ドル相当のガバナンストークン「OP」が流出したと発表した。マーケットメーカーのWintermuteがOptimismに誤ったブロックチェーンアドレスを送ってしまい、攻撃者が先に資金を手にすることになった。
●UFC、VeChainを公式ブロックチェーンに:米総合格闘技団体UFCは9日、VeChainとオフィシャルパートナー契約を結んだと発表した。VeChainは6月11日以降、UFCのライブイベント、デジタルおよびソーシャルメディア向けオリジナルコンテンツにさまざまな形で露出する。UFCを象徴する8角形の試合場「オクタゴン」にもロゴが表示される。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Cryptos Rise With Altcoins in the Lead