ビットコイン(BTC)は13日、過去1年で最大の下落となった。当記事執筆時点、ビットコインは2万3200ドル付近、過去24時間で約16%下落した(日本時間14日10時には2万1600ドル付近)。イーサリアム(ETH)は18%下落して1220ドル付近となった(日本時間14日10時には1170ドル付近)。
暗号資産全体の時価総額は2021年1月以来、初めて1兆ドルを下回り、ソラナ(SOL)やドージコイン(DOGE)などは大きく下落した。ビットコインを積極的に購入していた米マイクロストラテジーなどの暗号資産銘柄も急落した。
暗号資産業界では、4月には少なくとも15万ビットコイン(現在の価格で約35億ドル)を保有していたとする暗号資産レンディング大手セルシウス(Celsius)が資金の引き出しを停止。一方、競合のNexoが、セルシウスの保有資産の一部の買収に興味を示した。
暗号資産取引所バイナンス(Binance)もビットコインの引き出しを一時停止。ただし、こちらは技術的な問題という。Crypto.comとブロックファイ(BlockFi)は人員削減を発表、トロン(Tron)ブロックチェーンのステーブルコイン、USDDはドルペッグが揺らいだ。
「暗号資産のセンチメントはひどい状況」とFXブローカー、オアンダ(Oanda)のエドワード・モヤ氏はメールでコメントした。
株式市場も厳しい圧力にさらされている。S&P500は4%下落し、年初来安値を更新した。最大の要因は、米連邦準備理事会(FRB)が過去40年で最も高いインフレ率を抑制するために、より厳しい金融引き締めを行うとの投資家の懸念が再燃したことにあるだろう。
6月のFOMC(連邦公開市場委員会)は14日・15日の日程で開催される。
最新価格
●ビットコイン:23,503ドル、-14.39%
●イーサリアム:1,264ドル、-14.84%
●S&P500:3,750、-3.88%
●ゴールド:1,821ドル、-2.70%
●米国10年債利回り:3.37%
暗号資産ファンド、押し目買いを見せず
コインシェアーズのレポートによると、6月10日までの1週間、暗号資産ファンドは1億200万ドルの資金流出となった。流出のうち、約5700万ドルはビットコインファンド。イーサリアムファンドは4100万ドルの資金流出で、2022年の累計流出額は3億8650万ドルとなった。
地域別に見ると、流出の大部分は南北アメリカが占め、9800万ドル。一方、ヨーロッパのファンドは200万ドルの資金流出にとどまった。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Market Wrap: Bitcoin Tumbles Most in 1 Year as Crypto Cracks Appear