コインベース・グローバル(Coinbase Global)は、コスト削減計画の一環として、約1100人の従業員を解雇すると14日に発表した。5月にすでに雇用計画の縮小を発表しており、その後、内定取り消しなどの動きが伝えられた。
最新の計画では、6月10日時点で約18%にあたる人員を削減し、今四半期(4−6月期)末の従業員数を約5000人にするという。同社はリストラ費用として4000万ドル〜4500万ドルが必要になると見積もっている。
コインベースCEOのブライアン・アームストロング氏は14日朝、全社員に向けた文書を公開。「我々は、10年以上の経済的ブームを経て、不況に入りつつあるようだ」と記し、2021年当初の1250人から、暗号資産の強気相場の中で「急速に成長しすぎた」と認めた。
文書によると、解雇予定の従業員はすでに社内システムへのアクセスが遮断されており、通知は個人的なメールアドレスに送られるという。
同社の株価は年初から約80%下落している。14日朝、レイオフのニュースが伝えられた後、株価は市場前取引で約1%上昇したが、その後、通常取引で約3%下落した。
発表を受けて米みずほ証券は、コインベースの2022年の収益予想を引き下げ、目標株価を60ドルから45ドルに引き下げた。人員削減によって新たな収益源を探す取り組みが損なわれ、競争激化でライバルとの価格競争につながる可能性を懸念しているという。
コインベース以外にも13日には暗号資産レンディング大手のブロックファイ(BlockFi)が20%の人員を削減し、暗号資産取引所Crypto.comは400人以上を解雇。それ以前にはウィンクルボス兄弟が率いる暗号資産取引所ジェミニ(Gemini)が10%の人員削減を発表している。
暗号資産市場は2年以上ぶりの大幅下落となっており、ビットコイン(BTC)は当記事執筆時点、2021年11月の史上最高値約6万9000ドルから約70%下落となる2万2150ドル付近となっている。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
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|原文:Coinbase Lays Off Around 1,100 Employees