【US市場】FRBの利上げ発表後、ビットコイン上昇

ビットコイン(BTC)は、米連邦準備理事会(FRB)が15日、いっそうの金融引き締めを発表した後の数分間で2万270ドルまで下落した。だが、その後はやや回復し、日本時間16日10時30分頃には2万2700ドル付近まで上昇している。

広く予想されていたように、FRBは政策金利を0.75%引き上げると発表した。「我々は先に進む必要があると判断し、実行した」とパウエルFRB議長は述べた。今回の利上げは1994年以来の高水準であり、アメリカ経済へのインフレ圧力の強さを示している。

「市場は不確実性や予測不可能性を嫌う。デジタル資産はここ数カ月、米金融市場ときわめて高い相関関係にあり、いずれも下落を続けている。下落は、現在のFRBの政策と方向性が一時停止あるいは反転しない限り収まらないだろう」とヴァルキリー(Valkyrie)のリサーチ責任者ジョシュ・オルセビッチ(Josh Olszewicz)氏は述べた。

FRBの発表を受けて、株式も上昇。S&P500は2.1%、ナスダックは3.3%上昇した。

最新価格

●ビットコイン:21,579ドル、-2.53%
●イーサリアム:1,170ドル、-2.77%

●S&P500:3,790、+1.46%
●ゴールド:1,835ドル、+1.39%
●米国10年債利回り:3.40%

テザー、再び払い戻しの動き

出典:CoinMarketCap

CoinGeckoによると、米ドル連動型ステーブルコインのテザー(USDT)は過去48時間で約16億ドル(約2150億ドル)が払い戻され、流通供給量は昨年10月以来となる708億ドルまで低下した。

テザー(USDT)は5月に崩壊したテラ(Terra)ブロックチェーンのアルゴリズム連動型ステーブルコインのテラUSD(UST)とは財務構造が異なっている。だがUSDTについては以前から、裏付け資産と、大きな危機の際に払い戻しが履行されるかどうか疑問視されている。

「暗号資産への信頼感は依然として低く、一部のトレーダーは(USDTを発行する)テザー社がテラのUSTと似た運命をたどることを懸念している。」とオアンダ(Oanda)のエドワード・モヤ氏は述べた。

アルトコイン

テザー社、コマーシャルペーパーに関する噂を否定:テザー社は、同社が保有するコマーシャルペーパー(CP)の85%は、中国またはアジアのものとの噂を否定した。また同社は、窮地に追い込まれているヘッジファンド、Three Arrows Capitalへの投資を否定、暗号資産レディング大手セルシウス・ネットワーク(Celsius Network)への投資は、損失を出さずにポジションを清算したと述べた。

ステイクド・イーサリアム、ディスカウント拡大:ステーキングサービスのLidoが預け入れられたイーサリアムと引き換えにユーザーに発行する「stETH」のイーサリアムに対するディスカウント率が、過去最高の8%に拡大した。セルシウス(Celsius)とThree Arrows Capitalをはじめとする大口保有者が追い証に備えるためにstETHを売却しているためだ。ディスカウント率の拡大は、暗号資産レンディング市場に波及する恐れがあるとの懸念を生んでいる。短期的には大きな下落圧力になるが、stETHはテラではない。価値がなくなる可能性は非常に小さい。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:パウエルFRB議長(FRB)
|原文:Market Wrap: Fed Hikes Rates at Highest Level Since 1994, Bitcoin Rallies After