イランは国内における仮想通貨マイニングを産業の1つとして正式に認める。
イランの商工鉱業農業会議所(Chamber of Commerce, Industries, Mines and Agriculture)によると、2019年7月21日(現地時間)、仮想通貨マイニングは経済委員会によって承認された。政府は現在、既存の法的枠組みの中でのマイニングを規制する道を探っている。
「デジタルコインをマイニングするメカニズムが政府の経済委員会によって承認された。今後、閣僚会議で協議される予定だ」と、イラン中央銀行の総裁アブドルナーセル・ヘンマティ(Abdolnaser Hemmati)氏は声明の中で述べた。
同様に、ホマユン・ハアリ(Homayun Haeri)エネルギー次官は、マイニングファーム向けの電気料金をについては、内閣で投票を行うと述べた。
イラン政府は、マイニングを産業として認めるかどうかを決めかねてきた。2019年6月、2つのマイニングファームが当局によって差し押さえられ、閉鎖された。
ハアリ氏は過去に、政府は仮想通貨マイニングに補助金を出すべきではないと発言したと報じられている。
しかし、イランはその電気料金の低さから、マイナーにとって長らく魅力的な場所であった。
仮想通貨の使用
イランにおいて、仮想通貨のマイニングには暫定的なゴーサインが出たようだ。しかし、当局が国内決済における仮想通貨の使用に対する姿勢を変えているのか、また、仮にそうであれば、今後どのようなものになるかは定かではない。
同国の中央銀行は1月末、国内決済における仮想通貨の使用を禁止することを奨励したが、同国のステークホルダーらはそのような禁止に反対している。
ビットコイン関連の活動によって、米国の財務省外国資産管理室(OFAC)の制裁リストに加えられた個人は、2人のイラン人のみである。
OFACは2018年、ランサムウエア「サムサム(SamSam)」の決済の手助けをしたとして、アリ・コロシャディザディ(Ali Khorashadizadeh)氏とモハマド・グホルベニアン(Mohammad Ghorbaniyan)氏に制裁を課した。
グホルベニアン氏は決済の手助けをしたことは認めたが、資金の出所は知らなかったと主張している。
翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Iran image via Shutterstock
原文:Iran Legalizes Crypto Mining