暗号資産(仮想通貨)レンディングを手がけるボイジャー・デジタル(Voyager Digital)は7月5日遅くに米連邦破産法11条、いわゆる「チャプター11」を申請した。日本の民事再生法に相当する。
申請によると、債権者は10万人以上、資産は10億ドル〜100億ドル。負債についても同程度となっている。同社は「無担保債権者に資金を分配できる」と考えている。
暗号資産企業、特にレンディング企業はこの数週間、支払問題に直面しており、複数の企業が顧客の資金引き出しを停止している。セルシウス(Celsius)が6月中旬に引き出し停止を発表、以後、CoinLoan、CoinFLEX、Voyagerもこの数日で出金の制限や全面的な停止を発表した。
スリー・アローズ・キャピタルも1日夜に破産申請を行ったが、英領バージン諸島の裁判所から清算を命じられたことで米連邦破産法15条を申請している。
米CoinDeskにも寄稿しているフランシス・コッポラ(Frances Coppola)氏によると、ボイジャーの貸付債権は総資産の半分近くにのぼり、その60%近くがスリー・アローズに対する貸付債権だったという。
ボイジャーCEOのスティーブン・アーリック(Steven Ehrlich)氏は、会社の資産を保護するためには会社再建が最善の方法と声明で述べ、苦境の一因はスリー・アローズ・キャピタルにあると指摘した。
ボイジャーの株価は昨年11月には20ドルを超えていたが、先月には1ドルを割った。5日の取引終了時には27セントとなっていた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:ボイジャーCEOのスティーブン・アーリック氏
|原文:Voyager Seeks Bankruptcy Protection Amid Crypto Credit Crisis