財務危機に直面しているセルシウス・ネットワーク(Celsius Network)は7月7日、DeFi(分散型金融)プラットフォームのメーカー(Maker)に借入の残額を返済し、担保となっていた2万1962ラップドビットコイン(WBTC)を取り戻した。WBTCは約2万400ドルで取引されていたため、約4億4800万ドル(約609億円)に相当する。
セルシウスはすでに5日にもメーカーに融資の一部を返済し、2000WBTCを取り戻していた。
融資を完済した数時間後、セルシウスは5億ドル(約680億円)相当のラップビットコイン(WBTC)を暗号資産取引所FTXに送った。ブロックチェーンデータ企業ナンセン(Nansen)のデータによると、セルシウスは複数のステップでFTXに2万4463WBTCを送っている。
ファンドストラット(FundstratFund)のアナリスト、ウォルター・テン(Walter Teng)氏は、セルシウスの「チェーン上でのデレバレッジの動きは、担保となっていた資産にセルサイドのプレッシャーを加えるだろう」と述べた。
セルシウスはWBTCをより流動性の高い資産に替える可能性があるが、取引所の市場データを見ると、売却はまだ行われていないようだ。当記事執筆時点、WBTCはビットコイン(BTC)と連動しているため、過去24時間で6%上昇し、2万1600ドル付近となっている。
セルシウスは6月、破産に直面する恐れがある「極端な市場環境」を理由に、顧客の資金引き出しを停止した。同社は再建アドバイザーを起用、規制当局も複数の州で同社に対する調査を開始した。
先週、同社は「資産の保全と保護」を図るため、専門家と相談して選択肢を探っていると述べた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Celsius Sends $500M of Bitcoin Derivative to Crypto Exchange After Debt Payoff