ビットコイン(BTC)は12日、24時間で4.3%、5日連続の下落となり、1万9700ドル付近となった。
一部のアナリストは、2万ドル割れはもはやこの水準がそれほど重要ではないことを示していると見ている。
「1万7500ドル〜1万8500ドルのサポートを割る動きは、売りを加速させる恐れがある。また1万9500ドル割れも、さらなる痛みの到来を示すかもしれない」とOandaのシニア・マーケットアナリスト、クレイグ・エルラム(Craig Erlam)氏はコメントした。
Crypto Fear and Greed Indexは6ポイント下がって16となり、この1週間で最も低い水準だが、依然として「極度の恐怖」エリアにとどまっている。
12日はほぼすべてのアルトコインが下落。コスモス(ATOM)は24時間で11%と大きく下落し、イーサリアム(ETH)は7.8%下落した。
最新価格
●ビットコイン:19,453ドル、-5.5%
●イーサリアム:1,042ドル、-9.1%
●S&P 500:3,818.80、-0.9%
●ゴールド:1,724ドル、-0.3%
●米国10年債利回り:2.96%、-0.03%
回復には長期保有者の動きが重要
ビットコインの長期保有者は実損と含み損の両方を経験しており、きわめて大きな売り圧力を感じているだろうとブロックチェーン分析会社グラスノード(Glassnode)はレポートに記した。
実損は、投資家がビットコインを売却した価格と購入したコストを比較する指標、LTH-SOPR(Long-Term Holder Spent Output Profit Ratio)で見ることができる。LTH-SOPR1.0以上は、長期保有者が利益を得ていることを意味する。
だが現在のLTH-SOPRは0.67、2019年1月以降で最も低く、平均的な長期保有者が33%の損失でビットコインを売却していることを意味する。
含み損は、長期保有者のコストベースで見ることができる。市場の評価額がLTH-Cost Basisを下回る場合、長期保有者には含み損が発生していることを意味する。現在、長期保有者が14%の含み損を負っていることになる。
実損と含み損が組み合わさると、長期保有者がビットコインを売却する動きにつながる。そして価格に敏感な短期保有者が購入するが、短期保有者が含み損を抱えたまま保有する可能性は低い。
つまり、市場回復のためには、長期保有者による保有が欠かせない。
過去の大きな弱気相場では、長期保有者はビットコイン供給量の34%以上を含み損で保有し、短期保有者はわずか3〜4%を保有しただけだった。だが現在、短期投資家は供給量の16.2%を保有している。つまり、市場が低迷から抜け出すためには、より多くのビットコインが長期保有者に再分配されなければならない。
「多くの底打ちサインがあるで、まだ市場は回復力のある底を確立するために時間の痛みを必要としている。ビットコイン投資家はまだ森から抜け出していない」とグラスノードは記した。
アルトコイン
●STEPN、第2四半期の利益は1億2250億ドル:ソラナ基盤のmove-to-earn(歩いて稼ぐ)ゲーム「STEPN」の第2四半期(4−6月期)の利益は、ここ数カ月の暗号資産(仮想通貨)市場の低迷にもかかわらず、1億2250万ドル(約168億円)にのぼった。STEPNは利益の5%を使い、ネイティブトークン「GMT」の買い戻し&焼却プログラムを実施するという。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Glassnode
|原文:Market Wrap: Bitcoin Slumps Below $20K as Long-Term Holders Face Massive Selling Pressure