イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は21日、パリで開催された年次イベント「Ethereum Community Conference (EthCC)」でイーサリアムの長期的な将来について語った。
ブテリン氏はまず、PoS移行、いわゆる「Merge(マージ)」について語り、マージの長期的・短期的な成果について「マージ後は、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)が存在したことなどを気にせずにイーサリアム・クライアントを開発することができる」と述べた。
また、シャーディングによるロールアップのスケーラビリティを拡張する「Surge(サージ)」を含む今後のロードマップについても語った。
「ロードマップの最後には、イーサリアムははるかにスケーラブルなシステムになっている。最終的にイーサリアムは1秒間に10万トランザクションを処理できるようになる」
ブテリン氏は、開発全体から見れば「マージの完了で55%完成」することになると付け加えた。つまり、この先も開発者には多くのやるべきことがある。
難しい目標
さらに現時点では、ネットワークの深い部分での変化には、通貨政策、トークン発行、セキュリティモデル、トランザクションプロセスのアップデートが含まれると述べ、こうした分散化の目標を追求することは、ネットワークが複雑で変化のスピードが速いため難しいが、多くの人が長い間、こうしたアップデートを待ち望んでいると指摘した。
「プルーフ・オブ・ステークの中止を望んでいる人はここにいますか?」とブテリン氏は参加者に投げかけた。誰も手をあげなかった。さらに「たとえ誰かが望んでも、中止するつもりはない」とジョークを飛ばした。
暗号資産イーサリアム(ETH)は現在、先月から34%上昇、当記事執筆時点では1500ドル付近となっている。
昨年のEthCCでは、ブテリン氏は「DeFi以外で重要なこと」というテーマで語り、イーサリアムはDeFiを超えて拡大しなければならないと語った。
21日はEthCCの期間中、最も参加者が多かったようで、多くの人がブテリン氏の講演があったため最終日が一番良かったと思うと語っていた。
|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Vitalik Buterin Discusses Ethereum’s Upcoming ‘Merge’ and ‘Surge’ at EthCC in Paris