【US市場】ビットコイン、トレンドラインを試す展開──今日発表の7月の米CPIに注目

ビットコイン(BTC)は9日、4%下落した(日本時間10日10時時点で、2万3000ドルを割り、2万2800ドル付近となっている)。イーサリアム(ETH)も5%下落した。

株式市場も下落し、S&P500は0.4%、ダウ平均は0.2%、ナスダックは1.17%下落した。投資家はこの2日間に発表された数々の低調な決算に動揺しているようだ。ゴールドは0.31%上昇し、原油は0.14%下落した。

アルトコインでは、イオス(EOS)が7%、ステラルーメン(XLM)が9%下落した。

最新価格

●ビットコイン:23,100ドル、-3.5%
●イーサリアム:1,692ドル、-5.3%

●S&P500:4,122.47、-0.4%
●ゴールド:1,811ドル、+1.3%
●米国10年債利回り:2.80%、+0.03

米CPI発表を控え市場は小休止

9日の市場は、インフレ抑制のための継続的な取り組みが機能しているかどうかを示す7月のCPI発表を前に小休止となった。株式市場と暗号資産市場での下落は、トレーダーが協定世界時10日12時30分(日本時間10日21時30分)に発表されるCPIを前にリスクを減らしていたことを示している。

CPIが事前予想の8.7%上昇を上回った場合、株式市場と暗号資産市場は下落する可能性が高い。今後の利上げの確率や可能性を測るCME FedWatchでは現在、0.75%の利上げの確率は70%となっている。

出典:CME FedWatch

インフレ率が予想を下回る場合、0.75%の利上げの確率は低くなり、市場はポジティブに反応すると思われる。

米国2年債の利回りは、10年債を上回り続けている。これは歴史的には経済的苦境の表れとされている。

2年債と10年債のスプレッド(差)は、投資家が融資リスクをどのように評価しているかを示す。現在スプレッドは、10年間お金を借りるよりも2年間お金を借りる方がより大きなコストがかかることを示しており、これは短期的な経済状況に対する信頼の欠如を示している。

出典:Federal Reserve Bank of St. Louis

ビットコインはトレンドラインを試す

テクニカル分析では、ビットコインは9日、トレンドラインを割った。9日の取引高は20日移動平均を下回り、下落への確信は限られていることを示している。

ビットコインがトレンドラインを回復できなかった場合は大幅な下落に転じるのではなく、レンジ取引となるだろう。VPVRは、2万3000ドルと2万ドルで取引高が急増していることを示している。VPVRは、特定の価格における取引高を測る指標で、サポートやレジスタンスを知ることができる。

取引高が最も多いところは「コントロール・ポイント」と呼ばれ、下図へは赤線で示されている。取引高の多い、大口投資家が取引した価格水準を示すこともある。コントロールポイントは、投資家がロングやショートを行う際の基準となる。

出典:TradingView

アルトコイン

●元Terra系プロジェクトKujira、ステーブルコイン発行:かつてTerra(テラ)ブロックチェーン上で構築され、テラ崩壊後にCosmos(コスモス/ATOM)に移行したプロジェクトは、USKというステーブルコインの発行を計画している。USKは、コスモスのネイティブトークン、ATOMでの担保と取引を組み合わせて、価格ペグを維持する。

●米Reddit、FTX Pay対応でコミュニティポイントを拡大:米人気掲示板サービスのReddit(レディット)は、FTX Payと提携、ユーザーはコミュニティポイントを使かって、取引手数料を支払うことができるようになった。レディットのユーザーはアプリ上で直接イーサリアムを購入することもできるようになる。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:TradingView
|原文:Market Wrap: Bitcoin Prices Pull Back Ahead of US Inflation Report